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マイナンバーカード対応、来年3月からの「オンライン保険資格確認」導入を支援

PFU、病院や薬局向けの顔認証付きカードリーダー「Caora」発表

2020年10月07日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 PFUは2020年10月7日、医療機関や薬局などの窓口向け新製品「顔認証付きカードリーダーCaora(マイナンバーカード対応)」を発表した。厚生労働省が2021年3月から運用開始する保険資格の「オンライン資格確認」に対応する、マイナンバーカードと顔画像による本人確認機能を搭載した端末。PFUが開発し、富士通Japanが販売を行う。

 高性能CPU/GPUを採用し、顔認証を含む本人認証処理をすべて端末内で行うため、接続するPCを新たに導入/増設する必要がない点がメリット。また、これまでキオスク端末の設計/開発を手がけてきたノウハウを生かし、設置場所を選ばない、使いやすいユニバーサルデザインとしている。

PFUが発表した「顔認証付きカードリーダーCaora(マイナンバーカード対応)」。サイズは幅170×奥行き230×高さ200(mm)で、5インチのタッチパネルを搭載

 厚生労働省が提供予定のオンライン資格確認は、患者個人のマイナンバーと保険資格のひもづけを通じて、医療機関や薬局の窓口でマイナンバーカードの確認によってその場で保険資格を確認できるようにするもの。これにより資格過誤でのレセプト返戻(へんれい)が減り、医療機関における業務負荷が軽減されることが期待されている。

 今回発表されたCaoraは、このオンライン資格確認に対応した本人認証機能を備えるカードリーダー端末となる。医療機関の受付などに設置し、タッチパネル画面の指示に従って患者自身が操作することで、カード情報の読み取りや顔認証による本人確認を行う仕組み。

 高性能CPU/GPUを採用したCaoraは、マイナンバーカードの処理(券面のOCR処理、IC情報の読み出しなど)や顔認証処理をすべて本体内で実行し、USB接続したPCには処理結果のみを送る。そのためPC側の処理負荷が少なく、1台のPCに複数台(4台まで)のCaoraが接続可能。さらに、券面画像や顔画像をクラウドなど外部に送信しないセキュアな設計となっている。

AI顔認証処理も本体内で実行。マスクやメガネを着けている場合でも対応する

 医療機関などが導入する端末として、子どもから高齢者まであらゆる人が使いやすいユニバーサルデザインも実現している。本体はタッチ操作をしてもぐらついたり倒れたりしないよう低重心構造の設計とした。また広角カメラレンズを採用し、車いすに乗った人から高身長の人までがスムーズに顔認証できる。タッチパネル画面用の「覗き見防止フィルター」を標準添付するほか、マイナンバーカードの置き忘れ防止アラーム機能も備える。

標準的なカウンター(高さ110cm)や車いす対応カウンター(高さ70cm)に設置した場合でも、広角カメラにより幅広い身長の顔認証に対応

 マイナンバーカード券面の読み取り処理では、PFU独自の光学・照明技術を適用し、確実な読み取りを実現している。具体的には、内蔵する2つのLEDフラッシュを交互に発光させて2枚の画像を撮影し、合成することで光沢(テカリ)部分を除去する「Wスキャン技術」、外部の光環境からの影響を受けない本体の奥で読み取りを行う「洞窟構造」の2つ。

Wスキャン技術

 Caoraを接続してオンライン資格確認に使えるPCは、Windows 10 IoT Enterprise 2019およびWindows 10 Proで、既存のレセコン端末にも接続が可能。また、本体価格には5年間の本体保守費用が含まれており、故障時には後出しセンドバック修理が無償で受けられる(先出しセンドバックはオプションサービス)。

 なお同製品は、オンライン資格確認・医療情報化支援基金による補助金の対象製品となっており、同基金の「医療機関向けポータルサイト」から申込受付を開始している。製品出荷開始は2021年1月末頃の予定。

 富士通Japan「azmarche」で販売されている補助金対象外製品の本体価格(税抜)は12万9000円。1PCに複数台接続する場合は複数台ライセンスが必要で、価格は2万5000円。

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