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マイナンバーカードや運転免許証などのデータを読み取り申請書を印刷、行政側のシステム改修は不要

PFU、自治体窓口での申請書作成を効率化「Caora 申請書作成ソリューション」

2023年05月11日 13時30分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 PFUは2023年5月11日、地方自治体の窓口業務を効率化する「Caora 申請書作成ソリューション」の販売を開始した。自治体窓口の申請書作成において、申請者が書類を選択してマイナンバーカードなどを本人確認装置/カードリーダー「Caora(カオラ)」に置くだけで、住所や氏名などの基本情報が記載済みの申請用紙が印刷されるセルフサービス型ソリューション。

 石川県かほく市など全国4自治体で実証実験も行っており、住民側で手書きの手間が省けるほか、職員側でも窓口対応時間の削減など業務効率化につながるとしている。スタンドアロンで動作するため、他の業務システムの改修が必要ない点も特徴。

PFUの「Caora 申請書作成ソリューション」概要。申請に訪れた住民がセルフサービスで、基本情報転記済みの申請用紙を印刷できる

 同ソリューションは、本人確認書類の情報を読み取るCaoraとタブレットPC(Windows)、プリンター、設定用PCで構成される(PFUが提供するのはCaora、タブレットPC用アプリ、設定ツールの3点と、5年間の保守サービス)。本人確認書類としてはマイナンバーカードのほか、運転免許証、運転経歴証明書、在留カード、特別永住者証明書に標準対応する。

Caora 申請書作成ソリューションのシステム構成

 窓口を訪れた申請者(住民)は、タブレットPCから申請書類を選択し、Caoraに本人確認書類を挿入する。Caoraが顔認証を行って本人情報を読み出し(マイナンバーカードの場合)、その情報を申請用紙に転記。タブレット画面で申請者が情報を確認し、申請用紙を印刷したら、基本情報以外の空白項目を追記して窓口に申請する。

 本人確認書類から取得した情報は、申請書の印刷後にすぐ自動削除される。またスタンドアロンで動作するソリューションのため、ネットワーク接続や他の業務システムの改修などは不要。

申請者のタブレット操作の流れ

 PFUでは“Caoraならでは”の特徴として、「パスワード入力なしでマイナンバーカードからの情報読み出しが可能」「運転免許証、在留カードなど多券種に対応」「自治体職員自身がノーコードで申請書類の追加や印字項目の設定が可能」「顔認証機能によるセキュリティ対策」の4つを挙げている。

 前者2つは、Caoraがカードリーダー機能とOCR機能を内蔵することで実現している。マイナンバーカードの場合は、券面に印字された生年月日/有効期限/セキュリティコードをOCR処理してパスワードを自動生成し、ICチップ内の情報にアクセスする。運転免許証などの場合は、券面に印字された氏名や住所の情報をOCR処理して、印刷に利用する。

職員自らが付属の設定ツールを使って申請書類を追加し、印字する情報や場所を設定できる

 PFUでは4つの地方自治体(石川県かほく市、茨城県つくば市、神奈川県横浜市西区、福井県高浜町)の協力を得て同ソリューションの実証実験を行っており、「直観的で誰でも操作できる」「住民の記入の手間や時間が省ける」「職員の必要項目確認の効率化につながる」などの評価が得られたとしている。

 Caora 申請書作成ソリューションの販売価格はオープン。5月11日から販売を開始し、6月からの出荷開始を予定している。

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