このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ニューノーマル時代におけるテクノロジー活用のフロントランナーへ

埼玉県が喫緊の社会課題を解決すべくオープンイノベーションに本腰

2020年07月21日 13時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

全国トップクラスのスピードで高齢化する埼玉県にテクノロジーの恩恵を

 埼玉県は、県庁舎や道路、集客施設などを実証フィールドとして提供するとともに、関係先や関係法令の調整をサポート。埼玉県産業振興公社が県内企業への豊富な支援実績を生かし、県内企業のマッチングや技術的な助言など行なう。

 埼玉県産業労働部先端産業課長の斉藤豊氏は、「テクノロジーを使って社会や暮らしの課題をどのように解決していくのかが求められている。埼玉県は、2014年度から先端産業創造プロジェクトを行なってきた経緯があるが、今回は、これまで以上に、出口ベースを意識し、喫緊の社会課題の解決を目指すオープンイノベーション支援事業とした。先端技術の開発だけを目的とするのではなく、社会課題の解決につながるテクノロジーの社会実装を支援し、豊かな社会や暮らしの実現にも貢献したい。また、稼ぐ力を高めるところにもつなげたい」と説明した。

 また、「埼玉県は、全国トップクラスのスピードで高齢化が進行し、2040年には総人口の3分の1超が65歳以上の高齢者となる。それに伴い、介護や医療の需要も増大すると考えられる。埼玉県の最大の社会課題である高齢化、新型コロナウイルスを想定した新しい生活様式にフォーカスするワーキンググループを選定している。今回の事業を通して、埼玉県の新しい取り組みを県内外の企業に知ってもらい、埼玉県を舞台にした多様なオープンイノベーションの取り組みが活発に行われる機運を作り出したい」と述べた。

埼玉県の抱える社会課題

 公益財団法人埼玉県産業振興公社新産業振興部長の島田守氏は、「埼玉県産業振興公社は、経済、産業の発展に貢献すべく、主に埼玉県内の中小企業のパートナーとして、さまざまな活動を展開してきた。今回の事業は、『先端産業創造プロジェクト』をベースに実施。ここにおいて、約20人のロボットや医療機器などの各専門のコーディネータを擁し、企業をサポートしている」と述べ、「三者が連携して、3つのワーキンググループの挑戦に伴走、支援し、革新的な製品、サービスの創出と社会実装を目指す」した。

JEITAが地方自治体による技術活用支援事業に初参画

 また、IT/エレクトロニクスの業界団体である一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が、プロジェクトマネジメントを担当する。JEITAが地方自治体による技術活用支援事業に参画するのは今回が初めてとなる。JEITAでは、「JEITA共創プログラム」事業活動の一環として今回の事業を推進。事業全体を俯瞰的に見るとともに、各ワーキンググループの開発および実証のプロセスをサポート。得られた成果や可能性を社会に浸透させるための広報業務や、JEITAなどが主催するCEATEC 2020 ONLINEへの出展、埼玉県産業振興公社が主催する「彩の国ビジネスアリーナ」の参加支援を行う。また、AIや5Gなどに強い全国の企業とのコネクションの提供や共創プログラムの運営ノウハウの活用、さまざまなメディアとのコネクションなどを提供する。

 一般社団法人電子情報技術産業協会 理事 事務局長の井上治氏は、「JEITAの事業指針はSociety 5.0の推進であり、テクノロジーを活用し、経済成長と社会課題解決の両立を目指す。新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人々の暮らしや働き方は大きく変化しようとしており、ニューノーマル社会における課題解決にテクノロジーを何のためにどのように活用していくのかが大切になる。これからは、テクノロジーと暮らしの融合が求められる。このような背景から、JEITAは、暮らしに密接する地域社会との連携強化の必要性を強く感じ、初めて地方自治体と連携し、テクノロジーの社会浸透を進めていく」とコメント。「JEITAが持つ知見やノウハウを生かし、各ワーキンググループによる事業を単発で終わらせないための工夫に取り組みたい。埼玉県がニューノーマル時代におけるテクノロジー活用のフロントランナーとなり、テクノロジーで社会課題の解決に取り組む、大きな社会的ムーブメントを創り出したい」と述べた。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ