最新のRadeon RX 5700 XT搭載PCでは
2年前のゲーミングスマホの3倍の性能に!
BlueStacksは、スマホよりも高い性能を持つPCで利用できるため、低スペックのスマホでは実現できない、高フレームレートでスマホゲームが遊べる可能性を秘めている。
エミュレーターは、本来そのシステムを動作させるハードウェア(この場合Android搭載スマホまたはタブレット)とは異なるハードウェア(WindowsまたはmacOS搭載PC)にて、ソフトウェア的に本来のハードウェアの動作をエミュレートする。そのため、Androidの命令をWindowsまたはmacOS用に変換する必要がある。それによるオーバーヘッドは避けられない。
そうした、動作の遅延は発生するものの、その遅延すらも超える処理速度をPC側が持っていれば、スマホの動作よりも快適になる。BlueStacksにエミュレーター上で動かしたベンチマークソフトは、ある程度信頼できる数値になると伺ったので、3DMarkを用いて、いくつかの環境でスコアーを計測して比較してみた。
比較用に使用したのは、筆者の自宅のメインPCと、普段仕事で使用している2 in 1ノートPCであるマイクロソフトの「Surface Book 2」。それと、スマホは2018年に発売されたゲーミングスマホの「ROG Phone」にて、クロックをブーストするXモードを使用して計測。
PCにインストールしたBlueStacksの設定は、「ディスプレイ」が2560×1440ドット、DPIは320にし、エンジン設定はデフォルトのCPUとRAMが「高」に、デバイスは現バージョンでデフォルトに設定されていた「Asus ROG 2」(おそらくROG Phone IIと思われる)で、「高フレームレートを有効にする」にチェックを入れて、フレームレートを240fpsに設定して測定。
Surface Book 2のみ、CPU内蔵GPU(Intel UHD Graphics 620)と、GeForce GTX 1060を使用した2パターンで計測した。
検証用PCの主なスペック | ||
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PC | ジサトラハッチ自作PC | Surface Book 2(15) |
出力ディスプレー | ASUS「ROG STRIX XG32VQR」 (32インチ、2560×1440ドット、144Hz) |
15インチ(3240×2160ドット) |
CPU | AMD「Ryzen 7 3800X」(8コア/16スレッド、3.9GHz~4.5GHz) | Intel「Core i7-8650U」(4コア/8スレッド、1.9~4.2GHz) |
dGPU | ASUS「ROG-STRIX-RX5700XT-O8G-GAMING」 (Radeon RX 5700 XT、8GB GDDR6) |
NVIDIA「GeForce GTX 1060」 (6GB GDDR5) |
メモリー | G.Skill「Trident Z Royal Gold F4-3200C14D-32GTRG」 (DDR4-3200 16GB×2) |
16GB(DDR3L-1866) |
ストレージ | Seagate「FireCuda 520 ZP2000GM30002」 (2TB SSD、NVMe対応/M.2規格/PCI Express Gen4×4接続) +Western Digital「WD80EFZX-68UW8N0」 (8TB HDD) (DDR4-3200 16GB×2) |
512GB SSD |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
ASUS「ROG Phone(ZS600KL)」の主なスペック | |
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ディスプレー | 6インチ(2160×1080ドット、120Hz) |
CPU | Qualcomm Snapdragon 845(オクタコア、2.96GHz) |
GPU | Adreno 630 |
RAM | 8GB |
ROM | 512GB |
OS | Android 9(Update済) |
※比較の仕様がないCPUクーラーや電源、性能に直接関係ないインターフェースなどは割愛
結果は上の図の通り。現行世代の最新CPUでは結果も変わるだろうが、2年前のCore i7の内蔵GPUでも、当時のゲーミングスマホには劣った。一方で、最新のビデオカードであるRadeon RX 5700 XT搭載機と比較した場合、スコアーに3倍ほどの差が生まれた。
Graphics test 1は、Intel UHD Graphics 620で15.20fpsと低く、ROG Phoneが31.50とまずまず、GeForce GTX 1060で54.40fps、Radeon RX 5700 XTでは140.40fpsと2位のGTX 1060の倍以上という結果に。Sling Shot Extremeは、2560×1440ドット(WQHD)の映像を処理する、高解像度ゲームアプリを想定しているため、このような結果になっているが、Radeon RX 5700 XTはWQHDで快適にゲームをプレイできることを謳っているため、この結果はある程度信ぴょう性の高いものと思われる。
最後に120fpsに対応しているMinecraftを使って、実ゲームのフレームレートを計測。Radeon搭載のPCでしか使えない方法だが、AMD LINKをインストールしたスマホで、Radeon RX 5700 XTを組み込んだPCと接続。BlueStacksでMincecraftを起動し、フルスクリーンにしてAMD LINKの機能にて平均FPSを計測した。
結果は平均207fps。Androidエミュレーターでは、スマホでは60fps、120fpsまでしか表示できないゲームが、その上限を超えて表示(内部機能でFPS表示が可能)されることがあるので、BlueStacksにその理由について尋ねた。
すると、Windowsのプログラムでは、GPU向けにV-Sync(垂直同期)による上限設定があり、その多くは60fpsだが、アプリ側でそれ以上発揮できる場合、BlueStacks側でこのV-syncにおける調整を行なっているとのこと。
AMD LINKで計測した数値が、BlueStacksで表示している数値とほぼ一致しているため、ゲームが出力できるフレームレートということなのかもしれないが、Radeon Settingsで「垂直リフレッシュを待機」を常にオンにしても、数値がほぼ変わらなかったので、ディスプレーとの同期が効いていないのかもしれない。この辺りは他のAndroidエミュレーターも同じ挙動をするので、結論は控えたい。感覚的には今回使用した「ROG STRIX XG32VQR」が出力できる144Hz貼り付きくらいの動作はしているようだが……。
工夫次第では無限の可能性がある
高い信頼と充実の機能でスマホゲームの楽しめる!
BlueStacksは、確かなバックボーンを持つ企業が開発し、高い信頼性と充実な機能を有したAndroidエミュレーターだ。頻繁にアップデートも行なわれ、機能性も向上している。60fps以上に正式対応しているゲームはまだかなり少ないが、唯一240fps表示に対応している点も、高性能なPCを持て余している人にはうれしいところ。
6月に行なわれたWWDC 2020にて、Appleの独自CPU「Apple Silicon」搭載機では、iOSアプリがネイティブのまま動作することが発表された。これまでスマホゲームは、DMM GAMES他、AndAppやShift for docomoなど、数多くのサービスにてPCと連携してきた。そして、ついにあのAppleまでが、独自にPC上でスマホアプリを動作させようとしている。
中には複数の指でタッチして操作するリズムゲームなど、タッチパネルがないと操作が難しいアプリもあるが、オープンソースのAndroidに提供されている膨大な量のゲームやアプリが、試した限りではほとんどが動作し、不安定どころかスマホよりも快適に動作するのは、確かな技術力のなせる業だ。
ユーザーの中には、高解像度&大画面でゲームを表示し、迫力ある美しい映像で動画配信したりと、BlueStacksならではの使い方で楽しむ人もいる。ユーザーの使い方次第ではいろんな可能性、利便性があるので、自宅にPCがあって大画面のディスプレーやテレビを使って楽しめる環境があるのなら、一度は試してみてはどうだろうか。
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(提供:BlueStacks)