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人の無意識な行動から“幸せ”を解析/定量化、組織マネジメントから幅広い事業へ展開目指す

日立、独自の「ハピネス度」計測技術を事業化する子会社設立

2020年06月30日 12時20分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 日立製作所は2020年6月29日、同社が独自開発してきた“幸福度計測技術”を事業化するための新会社「ハピネスプラネット」を、2020年7月20日に設立すると発表した。新会社の代表取締役CEOには、同技術のプロジェクトリーダーを務めてきた日立製作所フェローの矢野和男氏が就任。日立製作所社長直下の子会社として、10人体制でスタートする。

“幸福度計測技術”をビジネス化する新会社「ハピネスプラネット」。まずは組織マネジメント支援の事業展開を行う

ハピネスプラネット 代表取締役CEOに就任する矢野和男氏。日立製作所 フェローで、ハピネスプロジェクトリーダーを務めてきた

人や組織の“幸せ度”を身体行動や生化学現象から解析する技術を開発

 日立では、約20年間に渡って“幸せ”に関連する学術研究と技術研究に取り組んできた。そのなかで、人の無意識な身体運動パターンのなかに幸福感と強く相関する普遍的な特徴があることを発見。さらに、この幸福感の定量的な指標である「ハピネス度」が、業務生産性と強い相関があることも実証してきた。これらの研究成果に基づき、これまで企業の組織活性化施策を提案するサービスや、個々人それぞれに適した働き方を推奨する技術の開発を進めてきた。

 「幸福度を(ハピネス度として)計測、定量化し、数値により見える化できるようになった点が大きな成果だ。これに基づき、幸せな人や組織は生産性や創造性が高く、心身が健康で、離職しにくく、株価も高いことがわかった。これは『幸せだから生産性が高い』のであって、逆ではない点が重要である。また、幸せの重要な要因が個人や関係性、組織であることが特定され、幸福度は訓練や施策で高められることも明らかにした」

 研究によると、人が「幸せ」を感じているときには、血管の弛緩収縮、血圧の増減、血液のホルモンや免疫物質の増減、筋肉の弛緩収縮、内臓の変形と活動変化、生成される酵素量の増減、呼吸数や発汗の増減、脳を含む神経系の活動変化など、全身に生化学現象が生じる。こうした反応のうち、身体の外部から計測可能な変化を、名札型センサーやリストバンド型センサー、スマートフォンなどのデバイスを使って計測、解析するのが同社の技術だ。

 「これまでに延べ1000万日の行動計測を行い、それを解析した結果、『人と人のつながりや発言権が平等』『5分や10分の短い会話が頻度よく行われている』など、幸せな集団には共通の特徴があることがわかった。これらは、幸せを感じている人が本能的に行う行動ともいえ、こうした無意識の身体運動を見ることで、幸せな集団かどうかを判断できる」

 加えて矢野氏は、組織内で周囲を活性化し、幸せを生む行動を「ハピネス関係度」として指標化し、活用することで、「組織や社会を幸せにすることができる」と語る。

ウェアラブルデバイスなどを使って人の身体行動パターンを計測

幸せな集団/幸せでない集団における人の行動の特徴

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