こんにちは、さとうなおきです。今回の「週刊アジュール」では、2020年6月14日~20日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
COVID-19対応
COVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックによって急増した需要に対して、Azureがどのように対応したかに関するブログポスト、動画が公開されました。
- ブログポスト「Azure の COVID-19 への対応」
- ブログポスト「Advancing Microsoft Teams on Azure—operating at pandemic scale」
- ストーリー「お客様支援のために Azure の処理能力を増強する – COVID-19 パンデミック 下でのマイクロソフト」
Azure Storage:アカウントフェールオーバー、GZRS/RA-GZRS
ストレージサービス「Azure Storage」で、2月にパブリックプレビューになっていたストレージアカウントの手動フェールオーバーが、GA(一般提供)になりました。
地理冗長ストレージ(GRS)、読み取りアクセス地理冗長ストレージ(RA-GRS)で、ストレージアカウントのプライマリリージョンからセカンダリリージョンへのフェールオーバーのタイミングを制御できます。
Azure Storageの冗長性オプションで、2019年8月にプレビューになっていた地理ゾーン冗長ストレージ(GZRS)、読み取りアクセス地理ゾーン冗長ストレージ(RA-GZRS)が、GAになりました。
GZRSは、ゾーン冗長ストレージ(ZRS)と同様に、プライマリリージョンの複数の可用性ゾーン(AZ)にわたって、データの3つのコピーを同期的に書き込みます。そして、セカンダリリージョンに、データを非同期的にレプリケートします。RA-GZRSは、このセカンダリレプリカへの読み取り専用アクセスを可能にします。
Azure Virtual Machines:Dv4/Ev4シリーズ、HBv2シリーズ、Mv2シリーズ
IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machinesで、前々回に紹介したDdv4シリーズ、Edv4シリーズのGAに加えて、Dv4シリーズ、Ev4シリーズがプレビューになりました。
Dv4シリーズ、Ev4シリーズは、Ddv4シリーズ、Edv4シリーズと同じCPU、メモリ構成を持ちます。Ddv4シリーズ、Edv4シリーズはローカルの一時ディスクを持ちますが、Dv4シリーズ、Ev4シリーズはローカルの一時ディスクを持ちません。
Dv4シリーズ、Ev4シリーズ、Ddv4シリーズ、Edv4シリーズは、現時点では東日本、西日本リージョンで利用できません。今年第3四半期に、東日本リージョンで利用可能になる予定です。
- 更新情報「New Azure Virtual Machines for general purpose and memory intensive workloads now in preview」
- ブログポスト「Intel が備わった新しい汎用およびメモリ最適化 Azure Virtual Machines が利用可能に」
今年2月にGAになっていたHPC向けのHBv2シリーズが、東日本リージョンで利用可能になりました。
SAP社のカンファレンス「SAPPHIRE NOW」に合わせて、Azure上のSAPに関するアップデートがまとめられています。
2020年内に、東日本リージョンでMv2シリーズが利用可能になる予定です。
Azure Batch:Azure Private Link
Azure Batchは、大規模な並列コンピューティングやHPCのアプリケーションを実行するためのサービスです。
Azure Private Linkは、Azure Virtual NetworkからAzureサービスへのプライベート接続を可能にするサービスです。
Azure Batchで、Azure Private LinkのサポートがGAになりました。現時点では、米国の一部のリージョンでのみ利用可能です。
Azure Front Door:WAFのログ機能
Azure Front Door Serviceは、グローバルなウェブアプリケーションを高速に配信するためのセキュアでスケーラブルなエントリポイントを提供するサービスです。
Azure Front DoorのWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)で、ログ機能が拡張され、match detailsフィールド、固有の参照文字列がサポートされました。
Azure Monitor:AKSのWindowsノード、Azure Arc
Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Monitor for containers(コンテナーに対する Azure Monitor)は、Azure Kubernetes Service (AKS)、Azure Container Instances上のコンテナーを監視する機能です。
Azure Monitor for containersで、Azure Kubernetes Service (AKS)のWindowsノードプールでのログ収集が、プレビューになりました。
Azure Arcは、Azure Resource Managerによる管理機能を、Azure外部(オンプレミス、エッジ、マルチクラウドなど)のサーバー、Kubernetesクラスターに拡張するサービスです。
Azure Monitor for VMsは、VMを監視する機能です。
Azure Monitor for VMsで、Azure Arcで管理されているサーバーのサポートがパブリックプレビューになりました。
また、Azure Monitor for containersで、Azure Arcで管理されているKubernetesクラスターのサポートがパブリックプレビューになりました。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ