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顧客企業のDXを支えるインフラ/アプリ基盤/サービスを一体型ソリューションとして提供

「FUJITSU Hybrid IT Service」発表、複雑化するITの全体最適化狙う

2020年06月12日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 富士通は2020年6月11日、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支える新たなソリューションとして「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表した。クラウドを中心に、データセンター、ネットワーク、セキュリティ、運用保守、アプリ基盤といった富士通が持つサービス群や、統合管理ツール、クラウド/データセンター接続基盤といった新たな関連技術とを組み合わせ、サブスクリプションなど新たな販売モデルで提供する一体型のソリューション。

富士通が発表した「FUJITSU Hybrid IT Service」の全体像

 FUJITSU Hybrid IT Serviceの提供により、基幹システムを含むハイブリッドIT環境の最適化を支援する狙いで、富士通ではITシステムにおける運用負荷を2~3割軽減するほか、TCOを2~3割削減、納期を3~4割短縮できるとしている。

ハイブリッドインフラの水平統合、インフラ/アプリ/サービスの垂直統合を同時に

 富士通 執行役員常務 デジタルインフラサービスビジネスグループ長の島津めぐみ氏は、ハイブリッドクラウド環境の統合管理ニーズが高まる一方で、基盤が複雑化/専門化/縦割り化して全体最適化が困難になっており、数々の課題が生まれていることを指摘する。

 富士通 執行役員常務 デジタルインフラサービスビジネスグループ長の島津めぐみ氏

 その課題とは、たとえば計画や設計においては多様な選択肢と選択肢があるために最適な選定が困難になっており、移行や構築においては技術力や労力の不安がある。さらに運用や保守では、障害発生時のベンダー責任の曖昧さ、基盤ごとに異なる契約や課金、バラバラの運用保守体制――といったものだ。

 「FUJITSU Hybrid IT Serviceは、こうした課題解決を図るものだ。オンプレミスからパブリッククラウドまでのさまざまなITインフラを水平統合し、同時にインフラレイヤー、アプリケーションレイヤー、マネージドサービスレイヤーまでを垂直統合することができる。これが富士通の強みになる。これまで培ってきた知見、技術を結集し、新たなコンセプトに基づく一体型ソリューションとして提供し、全体最適化を図ることができる」(島津氏)

「FUJITSU Hybrid IT Service」の全体イメージ。あらゆるハイブリッドITインフラを一括して水平統合管理し、同時にインフラ/アプリケーション/マネージドサービスを垂直統合管理することで全体最適化を可能にする狙い

 FUJITSU Hybrid IT Serviceは、デジタルインフラプラットフォーム、デジタルアプリケーションプラットフォーム、マネージドサービスを網羅する形で構成されている。デジタルインフラプラットフォームにおいては、基幹システム向け自社クラウド「FJcloud」、ハイブリッドなネットワーク接続を実現する「Digital enhanced EXchange(DEX)ネットワーク」、水平・垂直統合管理を実現する「統合マネジメントポータル」を提供する。

基幹システム向けのVMware/OSSインフラ、多様な共有/専有モデルも用意

 FJcloudでは、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」および「FUJITSU Cloud Service for VMware」を「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」として刷新し、それぞれ「FJcloud-O」および「FJcloud-V」の名称でリブランド。パブリックリソースとプライベートリソースを単一ポータルで一元管理できる新たなラインアップを提供し、パブリッククラウドの利便性、俊敏性と、プライベートクラウドの安全性、柔軟性を活かしたハイブリッドなクラウドサービスを実現する。

「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」は、OSS(Red Hat OpenStack)ベースの「FJcloud-O」とVMwareベースの「FJcloud-V」で構成される

 さらにFJcloudではラインアップの強化も進める。従来からの共有型パブリックリソース(Model 1)に加え、顧客の用途に合わせてサーバー/ストレージ/ネットワーク/データセンター(リージョン)のそれぞれを専有/共有から選べる新たなモデル(Model 2~4)を提供。これらもModel 1と同様に単一のポータルから、簡単かつ迅速にコントロールできる。

 「FJcloud-Oは、オープンソース技術の活用によってベンダーロックインの懸念を解消する。また、これまで“ニフクラ”ブランドで親しまれてきたFJcloud-Vは、リリースから10年を経て、中堅中小企業など7000社の実績を持ち、圧倒的な使いやすさと高性能、高可用性を実現している。今後は、大規模基幹系VMware環境のクラウド移行先として、顧客が持つVMware資産のクラウド化をスムーズに行うことができる環境も提供する」(島津氏)

 ニフクラを提供する富士通クラウドテクノロジーズの新見昌弘社長は、「オンプレミスの仮想基盤は『VMware ESX』が大半であり、ニフクラは整合性や親和性、移行のしやすさで優れている。また顧客がクラウド移行で苦労する点を、われわれのノウハウで簡単にできる強みがある」と述べた。

FJcloud-Vは大規模/基幹系VMware環境として高い実績を誇る

 なお島津氏は、FJcloudでは今後も国産クラウドとして強化していくと説明し、今年度の機能エンハンス計画を紹介した。政府情報システム固有要件(ISMAP)にも対応して「日本政府の要望にも瞬時に応えていく」としている。

FJcloudの2020年度エンハンスロードマップ

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