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成果が感じられなかった「働き方改革」が“コロナ以後”に変わる可能性も

全社的な在宅勤務「最初の7ステップ」、デルが実践ふまえ提案

2020年05月07日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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デルの営業現場で感じた在宅勤務のメリット/デメリットをコメント

 同説明会では、アウトサイドセールス担当の浅尾匠氏、インサイドセールス担当の小杉明恵氏がそれぞれ、在宅勤務の実践で感じたメリットや課題についてコメントした。

 外勤営業を担当する浅尾氏は、自宅からWeb会議ツールを使って顧客との商談を継続している。当初はモバイルルーター回線に不安があったためカメラをオフにしていたが、表情が見えないと顧客の反応が読めず、カメラをオンにして“顔出し”するようにしたところ、実際に訪問するのと変わらずスムーズに商談できているという。一方で、在宅勤務で気を遣う点としては「自宅周辺の生活音」を挙げた。浅尾氏は、自宅前の工事で大きな音が出る際には、部屋を変えたり、車内に移動したりして対応したという。

 「移動時間がなくなったので、遠方の顧客に関してはむしろアポイントが取りやすくなった。そのぶん、これまで以上に密な会話ができている」(浅尾氏)

 内勤営業担当の小杉氏は、職場とほぼ同様に、モニターや通信環境、ヘッドセット、机と椅子を在宅勤務環境として整えたことで、「困ることはあまりないというのが実感」だと語った。課題としては「社内メンバーとのフェイストゥフェイスの交流が減ったこと」を挙げたが、業務上のコミュニケーションについてはチャットツールを使うことで問題なく実行できているという。

 「正直なところ出社する意味がわからなくなってきていて(笑)、このままテレワークを継続してもよいと考えるほど。女性は特に、出勤前の身支度に時間がかかっていた人が多いと思うが、その時間を自分のために充てられる。圧倒的に時間効率が良くなった」(小杉氏)

アウトサイドセールス/インサイドセールス担当それぞれの、在宅勤務に対する評価コメント

 なお瀧谷氏は、テレワーク/在宅勤務に対して「業務効率が落ちるのではないかと不安を持つ企業も多い」と述べたうえで、同社自身のデータを示した。これはインサイドセールス担当者が顧客と通話している時間(トークタイム)を集計したものだが、在宅勤務を開始した日以降「1日平均で約10分増加している」という。上述したように時間の余裕ができたことに加え、瀧谷氏は顧客がデルの実践に興味を持っていることを理由に挙げた。

 「デルが全社的な規模でテレワークに移行できたことについて、顧客から『困っていることはないのか』など、テクニカルなことから業務上のこと、ワークライフバランスまで、興味を持って聞かれることが増えているようだ」(瀧谷氏)

デル 広域営業統括本部のインサイドセールスでは、在宅勤務のスタート後に顧客との通話時間(トークタイム)が微増している

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