デルテクノロジーズ(デルとEMCジャパン)は2020年4月16日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴うテレワーク需要の増加を受け、国内中堅企業(従業員数100~999名規模)層におけるIT投資動向の変化や、全社的なテレワーク/在宅勤務の取り組みで必要と考える「7ステップ」、そしてデルの各種支援策を紹介するオンライン説明会を開催した。
デルテクノロジーズ自身も3月上旬から全社的に在宅勤務を開始しており、中堅企業顧客を担当する広域営業統括本部においても、各営業担当者が自宅からリモートで営業活動を実施しているという。顧客企業からその実態やポイントについて質問されるケースも増えていることから、説明会には外勤営業/内勤営業(アウトサイドセールス/インサイドセールス)の各担当者も参加し、在宅勤務を実施している感想や課題などを語った。
デルの法人PC出荷台数データでも“コロナ以後”の急変が明らかに
説明会ではまず広域営業統括本部長の瀧谷貴行氏が、中堅企業層における新型コロナ感染拡大「以前」と「以後」のIT/テレワークへの投資動向について、最新の営業データもまじえながら説明した。
デルテクノロジーズでは、今年2月末に「中堅企業IT投資動向調査」2020年版を発表している。この調査は2019年12月~2020年1月に、国内中堅企業(従業員数100~999名規模)1300社を対象に実施された。つまり“コロナ以前”の企業動向をとらえたものだが、実はすでにこの時点で、「テレワーク・在宅勤務の導入」は前年度から高い伸びを示していた。
このデータについて、瀧谷氏は、もともと今夏には東京オリンピック/パラリンピックの開催予定だったため、その開催時期までにテレワーク/在宅勤務の準備をしようと考えていた企業が多かったと説明する。順調に準備が進んでいた企業では、それを少し前倒しするかたちで今回の事態にも対応できていると見る。
「一方で、中堅企業層では『(テレワーク/在宅勤務の導入準備を)やらないといけない』と思ってはいたものの、社内のIT人材が不足している状況もあり、なかなか着手できない企業もあった。それが今回、急にプライオリティが一番になった」(瀧谷氏)
こうした見方を裏付ける事実として、瀧谷氏はデルにおける「中堅企業向けノートブックPC出荷比率推移」のデータを紹介した。デルが出荷するデスクトップ型/ノートブック型の台数比率を見ると、2020年1~3月期にはノートブックPCが52.1%と、デスクトップPCを逆転して過半数を占めている。“コロナ以後”となった4月前半にはこの傾向がさらに加速し、ノートブックPCが64.5%を占めるようになった。
もうひとつのデータとして瀧谷氏は、デルのインサイドセールスと顧客企業との会話(通話ログ)から、音声マイニングによってキーワード解析を行ったものを紹介した。このデータを見ると、3月2日(感染症対策専門家会議による見解初公表)を境として、会話の中で「モバイルPC」「ノートブック」という言葉が非常に多く使われるようになっている。それまでほとんど使われていなかった「テレワーク」「在宅(勤務)」という言葉も、使われる頻度が増えた。
「年度末の3月だったから(そういう商談が増えた)という見方もできるが、4月に入ってからも同じ傾向が続いている。やはり実際に、急いでリモートワーク/在宅勤務に取り組まなければならないという顧客企業の相談は増えている」(瀧谷氏)