そして、その姿勢は、新型コロナウイルスの感染拡大が終息したあとにも向いている。
小川社長は、「新型コロナウイルスの影響が終息した後への準備も進めている」としながら、「これからは、人が同じ場所に集まることが前提とはならなくなり、情報のやり取りにおいては、デジタル化の進展がさらに加速するだろう。新型コロナウイルスが終息した後の社会生活では、デジタル化の加速がキーワードとなり、変化が生まれると予想している」と語る。
たとえば、以下のような観点から、アフターコロナの世界におけるセイコーエプソンの貢献を示してみせる。
「増加するサテライトオフィスや在宅における印刷に対応した、セキュリティ強化やサービスの提供」
「商業/産業印刷における、分散印刷ニーズの増加に応えるソリューションなどの開発強化」
「プロジェクターを使った遠隔授業による教育の地域格差という社会課題の解決」
「ロボットが可能な作業領域の拡大による、工場の無人化への対応」
「在宅勤務や遠隔授業に必要な高速で、高安定なネットワークインフラの構築に貢献するデバイスの提供」
同社では、プリンティングソリューションズ、ビジュアルコミュニケーション、ウエアラブル・産業プロブクツという事業領域を持つが、すべての領域で、アフターコロナの世界における新たなビジネスチャンスが生まれると想定している。
小川社長は、「こうした人々の生活様式の変化や、企業活動の変化を予測し、新たな価値創出に向けた検討を進めていく」と語る。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ