●それでも社会は変わらない
ただ、事情はどうあれ、結果として同じ働き方に帰結しているのは、テクノロジーがそれを実現する手段として共通化されていたからでしょう。
そのことを考えると、一方で、テクノロジーがより生活の中で重要な役割を占めるようになるからと言って、社会そのものが変革するとは到底思えない、というのもまた事実です。
手段が変化するだけで、対応できる人は大きな効率化を享受できますが、それが社会全体の変化を呼び起こしては来なかったからです。
しかし、さほど悲観的である必要もないと思います。新しい前提によって、時間的・金銭的なコストを最小化しながら、新しいビジネスを起こすことも、現在取り組んでいることを高効率化することもできるでしょう。
同時に、それに対応する人材が世の中に数パーセントでも増えれば、少数精鋭でビジネスを立ち上げようとしている人たちにとって必要なスキルセットを持ち合わせる人の候補が数十倍も膨れあがることを意味するからです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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