Automotive Grade Linux、UCB 9.0ソフトウェア プラットフォームを発表
The Linux Foundation Japan
最新版はオーディオ、コネクティビティ、セキュリティ、OTA、音声認識の新機能を搭載
車載テクノロジー向けの共有ソフトウェアを開発するオープンソース プロジェクト Automotive Grade Linux (AGL) は 4月22日 (現地時間)、AGLプラットフォームの最新版UCB 9.0 (コードネーム : Itchy Icefish) を発表しました。
2020年4月22日 サンフランシスコ発 - 車載テクノロジー向けの共有ソフトウェアを開発するオープンソース プロジェクトAutomotive Grade Linux (AGL https://automotive.linuxfoundation.org/ ) は、AGLプラットフォームの最新版UCB 9.0 (コードネーム : Itchy Icefish) を発表しました。
数多くのメンバー企業が一体となり共同開発したAGL Unified Code Base (UCB) は、インフォテインメント、テレマティクス、インストルメント クラスタ アプリケーションの事実上の業界標準となるオープンソース ソフトウェア プラットフォームです。
Linux FoundationのAutomotive Grade Linux担当エグゼクティブ ディレクターであるDan Cauchyは、次のように述べています。
「AGLプラットフォームは、自動車メーカーからの情報と要求に基づいて進化・成熟を続けており、そのうち数社は現在製品でAGLを使用しています。最新版のコードリリースには、オーディオ、コネクティビティ、セキュリティ強化、音声認識の改善、多数のHTML5デモアプリが含まれています。」
多くのAGLメンバー企業は、UCBを自社の生産計画に組み込むことを既に始めています。2020 SUBARU OUTBACKおよび2020 SUBARU LEGACYは、AGL UCBのオープンソース ソフトウェアを使用しており ( https://www.automotivelinux.org/announcements/2020/01/07/subaru-outback ) 、Mercedes-Benz Vansは商用車向けの新しいオンボードOSの基盤としてAGLを使用しています ( https://www.automotivelinux.org/announcements/2018/06/19/automotive-grade-linux-powers-new-solutions-for-commercial-and-consumer-vehicles ) 。トヨタ自動車のAGLベースのインフォテインメント システムは現在世界中のトヨタとレクサス車両に搭載されています ( https://www.automotivelinux.org/announcements/2017/05/30/automotive-grade-linux-platform-debuts-on-the-2018-toyota-camry ) 。
UCB 9.0 (Itchy Icefish) には、OS、ミドルウェア、アプリケーション フレームワークが含まれています。主な新機能は以下の通りです。
OTA (Over-the-Air) : ostree (SOTA) のアップデート
アプリケーション フレームワーク:Token Logicベースのセキュリティの実装を含む改善
音声認識 : Alexa Auto SDK 2.0、Speech-APIとボイスエージェントの統合を改善、音声認識用ディスプレイカードの新しいオープンソース版
オーディオ:PipeWireとWirePlumberの機能強化
コネクティビティ : ネットワークサポートとネットワーク設定の改善、bluetooth APIの再構築とpbapとmapプロトコルへの拡張
HTML5アプリ:セキュリティを Token Logic使用に変換、Web App Manager (WAM) とChromiumを使用してHTML5のみのイメージを利用可能、ホームスクリーン/ランチャー/ダッシュボード/設定/メディアプレーヤー/ミキサー/HVAC/Chromiumブラウザで HTMLデモアプリを利用可能
インストルメント クラスタ : QMLリファレンスアプリ : LINからIVIアプリを介したステアリングホイールコントロール、ステアリングホイール/IVIからのCANメッセージを含む更新版インストルメント クラスタ アプリ
ボード サポート パッケージ更新 : Renesas RCar3 BSPをv3.21に更新 (M3/H3、E3、Salvator)、SanCloud BeagleBone Enhanced + Automotive Capeのサポート強化、etnaviv (cubox-i target) を使用したi.MX6、Raspberry Pi 4のサポート強化
UCB 9.0 の全ての追加機能・機能強化はこちら ( https://wiki.automotivelinux.org/agl-distro/release-notes#itchy_icefish ) をご覧ください。
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Automotive Grade Linux (AGL) について
Automotive Grade Linux は、自動車メーカー、サプライヤー、技術系企業などを結集し、コネクテッド カー向けフル オープンソフトウェアスタックの開発導入を促進するオープンソース共同開発プロジェクトです。AGL はその中核にある Linux の強みを生かし、新しい機能や技術の高速開発を可能にする業界デファクトスタンダートのオープンプラットフォームをゼロから開発しています。AGL は、当初はおもに車載情報機器 (In-Vehicle-Infotainment: IVI) を対象にしていましたが、現在は、計器盤、ヘッドアップディスプレイ、テレマティクス、先進運転支援システム (Advanced Driver Assistance Systems: ADAS)、自動運転などあらゆる車載ソフトウェアに対応している唯一の組織です。AGLプラットフォームは誰でも使用でき、誰でもその開発に参加できます。Automotive Grade Linux は、The Linux Foundationがホストするプロジェクトです。詳細情報は https://www.automotivelinux.org/ をご覧ください。
Linux Foundationについて
2000年に設立されたLinux Foundationは、1,000を超えるメンバーによってサポートされており、オープンソース ソフトウェア、オープン スタンダード、オープン データ、およびオープン ハードウェアに関するコラボレーションにおいて世界をリードしています。Linux、Kubernetes、Node.jsをはじめとするLinux Foundationのプロジェクトは、世界のインフラに必要不可欠な存在です。Linux Foundationは、ベスト プラクティスを活用し、貢献者、ユーザー、およびソリューション プロバイダーのニーズに対応することにより、サステナブルなオープン コラボレーション モデルを生み出します。詳細については、www.linuxfoundation.org をご覧ください。