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液晶モニターで“魅せる”NZXT「Kraken Z63」は簡易水冷CPUクーラー新定番の筆頭候補

2020年04月25日 11時00分更新

文● 松野将太 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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冷却性能を2つのプリセットで検証

 では最後に、Kraken Z63の冷却力を検証してみよう。CPUはIntelのメインストリーム上位SKU「Core i9-9900K」を使用し、マザーボードはASUSの「PRIME Z390-A」、ビデオカードは同じくASUSの「ROG-STRIX-RTX2060S-O8G-GAMING」(GeForce RTX 2060 SUPER)を用意。NZXTのPCケース「H510 Elite」に組み込み、サイドパネルなどを装着した状態で温度を計測した。

 その際、CAMの冷却プリセットは「静音」と「パフォーマンス」の2パターンを使用し、CPU温度の数値は「HWiNFO」のCPUパッケージ温度を記録。なお、計測時の室温は23℃前後だった。

60℃前後まではファン回転数を抑える「静音」プリセット

「パフォーマンス」プリセット。50℃前後までの回転数が「静音」プリセットよりも高め

温度に関わらず100%の回転数を実現可能な「固定」。使用する機会はそれほどなさそうだ

 まずは、CPU性能の計測に利用される定番の3Dレンダリングソフト「CINEBENCH R20」実行時の温度を見てみよう。

「CINEBENCH R20」実行時のCPU温度の推移

 どちらのプリセットを適用しても、CPU温度が70℃を超えない優秀な結果となった。最大温度はわずかに「静音」プリセット適用時のほうが高いが、ほとんど誤差と言っていいレベルだろう。「静音」プリセットはファンの回転数が上がるまでに若干の猶予があるため、序盤に温度が跳ね上がった直後は「パフォーマンス」プリセットに後れを取るものの、60℃を超えた段階で回転数がどちらも100%となるため、最終的には温度がほとんど変わらなくなる。

 3Dグラフィックスの描画性能を計測する「3DMark」からは、DirectX 12 APIを活用する「Time Spy」でも温度を計測してみた。

「3DMark」Time Spy実行時のCPU温度の推移

 こちらも全体の温度は大きく変わらないものの、50℃以下で推移する場面が多いため、「パフォーマンス」よりも回転数が低い「静音」プリセットの温度が瞬間的に高くなりがちな傾向が見られる。とは言え、そもそも全体の温度がそれほど高くないため、問題視する必要はまったくなく、どちらのプリセットでも十分にCPUを冷却できていると言える。

 負荷テストアプリ「OCCT」で、継続的に高めの負荷をかける「CPU:Linpack」を選択し、10分間の計測を実施してみた。

「OCCT」CPU:Linpack実行時のCPU温度の推移

 やはり「静音」プリセットのほうが若干温度は高めに出るが、最大温度はほぼ変わらず、いずれも70℃を超えていない。終盤でも安定して冷却できており、文句のつけようのない結果だろう。高クロックな上位CPUでもしっかり冷やしきれている

まとめ:“魅せる”自作と相性抜群な簡易水冷CPUクーラーの新定番になるかも

 NZXTのKraken Z63は水冷ヘッド部の液晶モニターによるビジュアル面の汎用性の高さに加え、確かな冷却力を備えたオールインワン水冷ユニットだ。近年、サイドパネルにアクリルやガラスを採用した“魅せる”PCケースが増えているのは周知の通りだが、そういった製品との相性は抜群だろう。同時発売した360mmサイズのラジエーターを搭載する「Kraken Z73」よりもコンパクトなため取り回しがよく、搭載PCケースも選びやすいはず。

 性能面でも多数のゲーミングPCに採用されている高クロックなCore i9-9900Kを余裕で冷やせる冷却力を備えている。高価な部類の製品ではあるものの、6年間の長期保証を考えれば、購入を検討する価値は大いにある製品だ。

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