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最新の超小型サーバー「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」を知る! 第1回

HPEに聞く、日本の企業ユーザーの声を生かした設計と、ProLiantシリーズならではの管理性能

超小型「MicroServer Gen10 Plus」は“ふつうだからスゴイ”

2020年04月17日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本ヒューレット・パッカード(HPE)が今年(2020年)3月に発売した「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」。前世代モデル比で“およそ半分”という超小型の本体に、Xeon CPUやHDD/SSD×最大4台を内蔵。さらにProLiantサーバーで実績のある「HPE Integrated Lights-Out 5(iLO 5)」を使ったリモート管理にも対応した、小規模オフィスやSOHO、店舗やエッジ拠点などへの設置に適したx86サーバーだ。

「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」は、およそ25cm角/厚さ12cmで、横置きも縦置きも可能だ。最小構成価格(税抜)は11万円から

 HPE ProLiantサーバーのビジネスにおいて、日本は特にタワー型サーバーの売上比率が高い市場だ。そのため、MicroServer Gen10 Plusは、小型サーバーに対する日本の企業顧客の声や要求も強く反映された製品になっているという。

 今回はHPEでタワーサーバー製品を担当する村上志雄氏に、MicroServer Gen10 Plusのターゲットや特徴、そして特に日本の企業が“うれしい”ポイントなどを聞いた。

●インタビュイー
日本ヒューレット・パッカード
ハイブリッドIT事業統括 製品統括本部 サーバー製品本部 コアサーバー製品部
カテゴリーマネージャー 村上志雄氏

横置きも縦置きも可能、スリムタワー型よりも小さい本体

 MicroServer Gen10 Plusは、中堅・中小企業向けタワーサーバー「HPE ProLiant MLシリーズ」のエントリーモデルに当たる製品だ。

HPE ProLiant MLシリーズにおけるMicroServer Gen10 Plusの位置づけ

 まず目を引くのが、24.5×24.5×11.9cmの超コンパクトな本体だ。横置きにすると「タワー」サーバーというカテゴリがあまりふさわしくないようにも思える。中には“重箱”と呼ぶ人もいるという。

 容積に換算するとおよそ7000cm3で、前世代モデル(MicroServer Gen10、約1万4000cm3)比で「2分の1サイズ」となった。日本市場で人気のある代表的なスリムタワー型サーバーよりもさらに小さい。

MicroServer Gen10 Plusの本体写真(前面/背面)

 そしてHPE村上氏によると、日本市場向けの大きなアピールポイントが「縦置きでも使える」点だという。

 「日本市場では特に、デスク上などで大きな設置スペースを取らない縦置きのニーズが根強くあります。そこで、MicroServer Gen10 Plusでは本体を縦置きにもできるようにして、日本のお客様のニーズに応えています」(村上氏)

 MicroServer Gen10 Plusは、縦置き用の外部スタンドなしで自立する設計となっており(滑り止め用ゴムが付属)、小さなオフィスのデスク、店舗などのカウンターなどに12cmのスキマスペースがあればすっぽりと収まってしまう。ちなみに、横置きにした場合は最大3台まで積み重ねることが可能だ。

 村上氏は「こうした本体設計により、ユーザーニーズに応じた自由度の高い設置が可能になっています」と説明する。稼働時の音量も21dBA(木の葉のすれ合う音程度)と非常に静かなので、その点でも設置場所を選ばないと言えるだろう。

 “前世代モデルの半分”という大幅なコンパクト化が実現できた大きな理由は、内蔵電源ユニットから外部電源アダプタ(180W)への変更だ。ただしここでも、過去に日本の顧客企業から聞かれた「電源コードが抜ける事故が不安だ」という声に対応し、標準仕様として脱落防止用の電源コードクリップを取り入れている。

Xeon搭載モデルも、スペック十分な“ふつうの業務サーバー”

 ただし、本体を小型化するためにサーバーとしての性能を犠牲にするようなことはしていない。MicroServer Gen10 Plusは、エントリーモデルとして十分なスペックを備えた“ふつうの業務サーバー”でもある。

 CPUにはインテルの「Xeon E-2224プロセッサー」(最大4コア)または「Pentium Gold G5420プロセッサー」(最大2コア)を採用し、内蔵メモリは最大32GB。HPE社内のベンチマークテストでは、このパフォーマンス構成(Xeon)、エントリー構成(Pentium)とも、前世代のMicroServer Gen10シリーズ比でおよそ2倍の性能を記録している。

 ドライブベイは4つあり、3.5インチHDD(1TB/4TB)または2.5インチSSD(240GB)を内蔵できる(ノンホットプラグ)。HDD×4台構成の場合は最大16TBと、小規模オフィスのファイルサーバーとしても十分なストレージ容量が確保できる。また、企業ニーズの高いハードウェアRAIDコントローラーもオプションとして用意されている。

本体内部に4つのドライブベイを備える。HDDとSSDの混載も可能だ。またハードウェアRAIDコントローラーのオプションもある

 ネットワークインタフェースは、標準で1ギガビットEthernet(1GbE)×4ポートを搭載している。ファイルサーバーなど、ネットワークトラフィックが集中するユースケースの場合には、オプションとして10GbE×2ポートを追加することも可能だ。超小型のサーバーではあるものの、こうしたユーザーニーズの高い部分の拡張性はしっかりと持っている。

「iLO 5」のリモート管理や「InfoSight for servers」に対応

 そしてMicroServer Gen10 Plusでは、管理性やハードウェアセキュリティの面でも“ProLiantゆずり”の能力を目指している。

 まずはHPEがProLiantサーバー向けに独自開発する管理用チップ、iLO 5を標準搭載している。これはメインのCPUとは独立して動作するプロセッサーで、セキュリティをはじめとする多彩な機能を搭載している。

 ここにオプションモジュールである「iLO Enablement Kit」を取り付けることで、MicroServer Gen10 Plusはリモート管理にも対応する。

 このモジュールはiLO専用の管理用ネットワークポートを備えており、リモートからの電源オン/オフやBIOS設定変更、OSインストールなどが、手元にあるサーバーと同じように操作できる。iLO 5が備えるWebインタフェース(GUI)からは、リモートから各種サーバーステータスの監視や設定変更も可能で、障害発生時のアラートメール送信にも対応する(一部機能はオプションライセンスで対応)。

 さらに、iLO 5ならではの強力な機能の例として、「ファームウェアの改ざん検知/自動復旧」も挙げられる。

 近年、新たなサイバー攻撃脅威としてサーバーのファームウェア改ざんが注目されているが、iLO 5ではサーバーの起動時や稼働中にファームウェアの検証を実行する。万が一ファームウェア改ざんが確認された場合には、iLO 5により自動的に検知と復旧を実行して、正常稼働の状態に戻す(起動時の改ざん検知は標準機能。稼働中の改ざん検知・自動復旧はオプションライセンスで対応。なお文末で述べるとおり、現在このオプションライセンスは2020年12月末まで無償試用可能だ)。

 「HPE ProLiant Gen10サーバーシリーズでは“世界標準の安心サーバー”というコンセプトを掲げていますが、それはMicroServerであっても例外ではありません。むしろ、データセンターではなく拠点オフィスやエッジといった無防備な場所に置くサーバーだからこそ、iLOによるハードウェアレベルでのセキュリティがより大切だと考えています」(村上氏)

サーバーの運用管理をサポートする独自プロセッサー「iLO 5」を搭載。ファームウェアの改ざん防止機能を提供する

 加えて、MicroServer Gen10 Plusは「HPE InfoSight for servers」にも対応している(iLO Enablement Kit、オプションライセンスが必要)。InfoSightクラウドは世界中のサーバーから膨大な稼働状態(テレメトリデータ)を収集し、分析/可視化すると同時に、そのデータを機械学習したAIエンジンによって、障害発生予兆の検知とプロアクティブな対応も可能にするサービスだ。

 「MicroServer Gen10 Plusについては、現在のところ多拠点にあるサーバーの一括可視化や障害監視の機能を提供しています。分散した拠点にある個々のサーバーについて『ファームウェアバージョンが古い』『サポート契約が切れそう』といったステータスが見られますから、管理漏れを防ぐことができます。それと同時に、AIエンジンがテレメトリデータを学習中であり、将来的には障害発生予測や、管理者が取るべき対応のレコメンドといった機能も提供できるようになる予定です」(村上氏)

「InfoSight for servers」を通じてサーバー状態の可視化とAI分析を行うことができる

“小回りがきく”MicroServer Gen10 Plus、HPEが考えるユースケースは?

 それでは、MicroServer Gen10 PlusについてHPEではどのようなユースケースを想定しているのだろうか。簡単に聞いてみた。

 まずは“ふつうの業務サーバー”としての用途だ。オフィス内のファイルサーバー、プリントサーバー、Active Directoryサーバー、そして業務パッケージを動かすアプリケーションサーバーとしての利用が考えられる。

 特に、延長サポート期間が2020年1月で終了したWindows Server 2008/2008 R2は、セキュリティリスクが高まっており、早く新しいOSに移行しなければならない。最新のWindows Server 2016/Windows Server 2019に対応しているMicroServer Gen10 Plusならば、手軽に導入できる移行先として最適だろう。しかも、サーバー設置スペースはこれまでよりもずっと小さくなるはずだ。

 「過去のMicroServerシリーズでは、Windows Updateの社内配信用サーバー(WSUS:Windows Server Update Servicesサーバー)として使われるケースも多くありました。Windows 10 PCでは定期的に大型のアップデートがありますから、こうしたニーズも高いでしょうね」(村上氏)

 仮想化については、Windows ServerによるHyper-V仮想化や「VMware vSphere」に正式対応しており、大規模なサーバー統合は難しいものの、エントリーレベルの仮想化であれば対応しているという。

 「たとえば、InfoSight for Serversを使うためにはクラウド接続用のVM(仮想マシン)を立てなければならないのですが、このような小さな管理用VMをまとめて動かすのには向いていると思います。UTMの仮想アプライアンスなど、クラウド化が進んでもオフィスに残るものは必ずありますから」(村上氏)

* * *

 省スペースかつしっかりとしたパフォーマンス、高い管理性とセキュリティ、そして導入しやすい価格と、MicroServer Gen10 Plusは“小回りが利く”業務サーバーと言えそうだ。特に、Windows Server 2008などで動く古いサーバーがあるオフィスでは、手に入れやすく信頼性も高い乗り換え先候補になるのではないか。

 引き続き次回記事では、こうした特徴を生かして、どのようなユニークなユースケースに使えるのかを考えてみたい。

■ 在宅勤務でもサーバーのリモート管理ができる「iLO Advanced」
■ 【2020年12月末まで】無償ライセンスの試用期間を拡大中

多くの企業で在宅勤務が強いられている現在、サーバー管理者にとっては、サーバーをリモート管理することの重要性がこれまでになく高まっている。

そこでHPEでは、本記事でも紹介した「HPE Integrated Lights-Out(iLO)」のフル機能が使える「iLO Advanced」評価用無償ライセンスの試用期間を2020年12月31日まで期間を拡大して提供している(通常は60日間)。MicroServer Gen10 Plusに限らず、iLOに対応するHPE ProLiantサーバーシリーズが対象だ。

これにより、管理者は在宅勤務環境においてもサーバーを容易にリモート管理できるようになる。この機会にぜひiLOをご活用いただければ幸いだ。

★ iLO Advanced無償試用版のダウンロードはこちらから ★
(「iLO Advancedを試してみる」から「iLO Advanced試用版ライセンス」登録フォームに進んでください)

(提供:日本ヒューレット・パッカード)

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