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最新の超小型サーバー「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」を知る! 第3回

HPEの最新超小型サーバーをさっそく分解、“ネジ1本”まで観察しつくす

ジサトライッペイ VS. MicroServer Gen10 Plus! 徹底分解するぞ

2020年05月15日 08時00分更新

文● 大塚昭彦 分解&顔芸● ジサトライッペイ 写真● 曽根田元

提供: 日本ヒューレット・パッカード

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 ここまで3回シリーズでお届けしてきた、日本ヒューレット・パッカード(HPE)の最新超小型サーバー「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」特集。第1回第2回の記事を通して、超コンパクトな本体に詰め込まれた実力と可能性を感じ取っていただけたのではないだろうか。

 ――しかし、筆者は「アスキー的にこれでいいのだろうか」とモヤモヤしている。この超小型ハードウェアの中身がどうなっているのか、きっと多くの読者も気になっているはずだ。われわれにはそれを伝える使命がある。つまり、面白そうなのでバラしたい。

 HPEからも快諾を得たので、そういう作業が得意そうなアスキー編集部のジサトライッペイ氏に声をかけ、MicroServer Gen10 Plusの分解作業をお願いした。だがイッペイ氏は、「マシンは大きいのが正義」「サーバーなんだからどうせ中身もふつうでしょ」などとブツブツ言い、明らかに乗り気ではない様子。はたしてどうなるのか……?

「フーン、これがMicroServer Gen10 Plusねえ。ヘェー……」。明らかに乗り気ではないジサトライッペイ氏。現場の空気も重い

外観チェック:小さいけどサーバーらしい堅牢なメタルボディ

 分解作業に入る前に、まずはイッペイ氏に外観をひととおりチェックしてもらおう。

大塚(筆者)「さあさあイッペイさん、どうですかMicroServer、小さいでしょ!」
イッペイ「ふーん、いざ目の前にするとかなり小さいな。でもね、マシンは大きいのが正義だからさ」
大塚「(そんな価値観、イッペイさんだけだよ……)」

 MicroServer Gen10 Plusが超コンパクトサイズであることは、上に掲載した写真でもおわかりいただけると思う。念のため申し添えておくと、この写真はイッペイ氏が大きいのではなく、MicroServerが小さいのだ。

 省スペースであることのメリットは、この特集で繰り返し述べてきたとおりだ。MicroServer Gen10 Plusのサイズは約25×25×12cm、容積比で前世代モデルの約半分、他社の代表的なスリムタワー型サーバーよりもさらに小さい。ちなみにイッペイ氏宅のPC本体と比較計算してみると、MicroServerはおよそ「18分の1サイズ」となった(こちらの場合はイッペイ氏の自宅PCが大きすぎるだけだが……)

イッペイ「サイズは小さいけど、手に持ってみると意外にずっしりしてる」
大塚「大切なデータを保管するサーバーらしく、金属で堅牢に作られてますよね」
イッペイ「背面にネットワークポートが4つもあるのも、サーバーらしいかな」
大塚「標準では1ギガEthernet×4ポートですけど、オプションで10ギガポートも増設できますよ」

 フルメタルで堅牢な筐体(フロントベゼルを除く)を採用し、超小型ながらも用途に応じた拡張性を確保しているあたりは、長年にわたってサーバーを作り続けてきたHPEならではのこだわりが感じられるところだ。

「うん、たしかに小さいな……」。まだMicroServerへの警戒心を解けない様子のイッペイ氏

分解作業スタート:「あれっ、ここに手順が書いてあるじゃん」

 多少はイッペイ氏の関心もひくことができたようなので、さっそく分解作業に入ってもらおう。さすがに手慣れたもので、イッペイ氏はマニュアルなど一切見ずに分解を始めた。

「はいはい、どうせこの色が付いたネジを外すんでしょ」。いかにも“俺は詳しいんですよ”的な態度がムカつくが、仕事なので大目に見よう

「ふんふん、そうしたらこのカバーが取れるよね」。上面と側面を覆っている金属製のカバーがすんなりと取り外される。相変わらず顔はムカつくが

 ……と、ここまで来てイッペイ氏の分解作業の手が止まった。カバーを外した本体のあちらこちらを眺め回している。どうやら、次にどの部品を外せばよいのかわからないようだ。ハハハざまあみろ。

 助け船を出すべく、筆者がMicroServer Gen10 PlusのオンラインマニュアルをWeb検索しようとしたところで、イッペイ氏が何かを見つけた。

「あれっ!」。何かを見つけた様子のイッペイ氏

イッペイ「ここにちゃんと手順が書いてあるじゃん」

本体に貼られたシールに分解手順が図示されていた

 ドライブ交換やオプション増設などのために作業頻度の高そうな「フロントベゼルの取り外し」「システムボードの取り出し」といった手順は、きちんと本体貼付のシールに図示されていた。これならば、わざわざマニュアルを探さなくても作業が進められそうだ。

 手順さえわかればしめたもの。イッペイ氏は再びサクサクと分解を進めていく。

手順どおりに本体脇のロックを解除してフロントベゼルを取り外し……

背面のネジ2つを外して、システムボードを収めた下部トレイを引き出す

3つのケーブルコネクタを外すと、本体の上部/下部が完全に分離する

 ここまでの作業で、基本的な分解作業はおしまいだ。4つのドライブベイがある本体上部と、システムボードを据え付けた本体下部トレイが完全に分離できた。

イッペイ的視点その1:現場作業を考えたサーバーメーカーらしい親切さ

 作業が進み、システムボードを目にしたことで、イッペイ氏もがぜん気分がノってきたようだ。しぶしぶ作業を始めた当初とは別人のようである。現場の空気も明るくなってきた(やれやれ……)。

 せっかくなので、イッペイ氏視点で気になったポイントを教えてもらおう。まずは前面のドライブベイから。

大塚「前面にはドライブベイが4つ。ドライブにネジを取り付け、レールにスライドさせて固定する仕組みですね」
イッペイネジの保管場所がドライブベイのそばにあるのは便利だなあ。袋に入ったネジを別の場所で保管するのって面倒だし、なくしやすいから」
大塚「さっきの分解手順のシールもそうですが、現場で作業が完結するように工夫されてますね」

 ちなみにこのドライブ固定用のネジも、先ほど分解途中で外した本体背面のネジも、同じトルクスドライバー(T-15サイズ)1本で作業ができる設計だ。このあたりも、現場作業を考えたサーバーメーカーらしい配慮だろう。

ドライブベイのすぐそばに、ドライブ固定用のスペアネジを保管するスペースが用意されている

 次は背面側、システムボードのほうをチェックしてもらおう。

イッペイ「うっわー、基板の端ギリギリまでパーツがみっちりと詰め込まれてる……。ここまでのものはあまり見たことないなあ。Micro-ATXくらいのサイズだけど、このMicroServer用に特別設計されたものというのがよくわかる」

 たしかにシステムボードの端、数ミリほどのすきまにまで部品が配置されている。さらにこのシステムボード自体も、下部トレイにギリギリ収まるようカットされているなど、芸が細かい。

ちなみにシステムボード上にもUSBコネクタがある。大容量USBメモリを挿せば、OSの起動ドライブとしても使える

イッペイ的視点その2:CPUヒートシンク/ファン周りの工夫された設計

イッペイ「それからCPUのヒートシンクがちょっと不思議な形。パワーのあるサーバーCPUでそこそこ発熱も大きいから、CPUを覆う上面のヒートシンクだけでなく、もう1つ別のヒートシンクを付け足して……ん? あー、そういうことか!

 イッペイ氏がひとり勝手にガッテンしたところで、筆者としては記事が書けず困るのだ。いったい何が「そういうこと」なのか。

イッペイCPUが配置されたこの場所、上にドライブベイがくるからこれ以上高さが取れないわけさ。だから、スペースの空きがある背面側にもう1つヒートシンクを取り付けて、ヒートパイプでそこまで熱を逃がす構造になってるの」

先ほどの分解写真をリプレイでどうぞ。たしかにドライブベイの下のスペースは非常に狭く、高さが取れない

 たしかにMicroServer Gen10 Plusの厚みは12cmしかなく、CPUの上には4つのドライブベイもあるため、スペースの余裕はない。そこで、HPEのサーバー設計者は三日三晩考え抜いた末に、この特殊な“L字型”ヒートシンク構造にたどり着いたのだ!(※あくまでもアスキー編集部の推測です)

2つのCPUヒートシンクが“L字型”に取り付けられている。筐体内の小さなスペースを有効活用して、冷却能力を最大限に高める工夫だろう

 さらにイッペイ氏は、ヒートシンクを冷やす背面のファンにも注目し始めた。筆者にはごくふつうの空冷ファンにしか見えないのだが、このファンは一般的なものよりも厚みがあるという。

イッペイ氏はこのファンがとても気になるらしい。型番でWeb検索し始め、あげくの果てには取り外してしまった(頼んでもいないのに)

 イッペイ氏いわく、PCケースファンは対角12cmサイズで厚さ25mmのものが一般的。それに対して、MicroServer Gen10 Plusに組み込まれているファンは対角8cm、厚さ38mmと“小型、肉厚”のものだ。しかも、一般的なファンの回転数は最大2000rpm程度しかないが、このファンは最大6100rpmまで出せる高回転モデルだという。

イッペイ「小さな筐体なのでファンも小さくしないといけないけど、それだと冷却力が弱くなる。そこで“肉厚”かつ回転数が上げられるファンを選んで、風量を出せるようにしているわけ」
大塚「なるほどー。先ほどのヒートシンクもそうですが、本体をここまで小さくするには細かな工夫の積み重ねが必要なんですね

ファンと空冷のレクチャーに熱が入るイッペイ氏。空冷ファンの話だけで写真を3枚も使うサーバー記事は、おそらくアスキーでしか読めない

イッペイ的視点その3:ライザーカードの「ネジ」

 さて、MicroServer Gen10 Plusの大きな特徴のひとつが「HPE Integrated Lights-Out 5(HPE iLO 5)」だ。その機能は第1回で詳しく紹介したので割愛するが、HPE ProLiantサーバーシリーズではおなじみの管理機能である。オプションモジュール(iLO Enablement Kit)と追加ライセンスを導入すれば、リモート管理にも対応するので便利だ(※ iLO追加ライセンスは現在無償ライセンスの有効期限を拡大中。詳しくは文末参照)

独立した管理専用ネットワークポートを備えるiLO Enablement Kit。ライザーカード経由でシステムボードに取り付ける

iLO 5のWebコンソール。OSとは独立して動作し、各種サーバーステータスのチェック、電源のオン/オフ/リブート、リモートKVM、「Intelligent Provisioning」によるメンテナンス操作など、豊富なリモート管理機能を備える

 ――と、そんな筆者のiLO講釈を受け流しつつ、勝手にライザーカードまで取り外したイッペイ氏がカメラマンに何かを指示している。

イッペイこのネジ! このネジも撮ってください。これ、ライザーカードを取り外してもネジが抜け落ちないようになってるんですよ。いいなあ、こういうところがちゃんとしてるよ……」

 ライザーカードにはiLOオプションモジュールと、PCIe 3.0×16のカード(ロープロファイル/ハーフレングス)1つが取り付けられる設計になっている。PCIeカードのオプションとしては、ハードウェアRAIDカードや10ギガビットEthernetカードなどが用意されている。

 しかし、筆者もまさか「ライザーカードのネジ」にフォーカスしてほめてくるとは思わなかった。もっとも、現場作業を考えれば「ネジが抜け落ちない」というのは気が利いている。そういう意味では、イッペイ氏の眼力もなかなかあなどれない。

「ライザーカードのネジ」をほめる記事が読めるのもおそらくアスキーだけだ

イッペイ「ちなみに、このライザーカードのコネクタも特殊な……」

 あっ、もういいです、きりがないんで。

* * *

 分解作業を終えたイッペイ氏に、MicroServer Gen10 Plusのハードウェアについての総評を聞いてみた。――どうでしたか?

イッペイ「まずはこの小さな本体サイズに収められるよう、設計上の工夫がふんだんになされていること。それがすごいね」
大塚「そうですね。CPUヒートシンクの構造とか、わたしもイッペイさんの解説を聞いて感心しました」
イッペイ「特殊な設計に合わせるために、標準的な仕様のパーツがほとんど使われていないのも面白かったな。特殊仕様のパーツを多く採用できるのは、サーバーメーカー、しかも世界市場向けに大量のサーバーを作っているメーカーだからこそでしょう」
大塚「わっ、いいコメントですねえ。今度コーヒーおごりますわ」

 そんなわけで、最初はあまり乗り気でなかったイッペイ氏も、MicroServer Gen10 Plusの分解作業をすっかり楽しんだようだ。……というか、まだ楽しんでいる。

イッペイさん、それ借り物なんだから早く組み立て直してくださいよ

 HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plusは、こんな風に“モノ”としての魅力もあるサーバーだった。今回の記事が読者の皆さんのサーバー選びの参考に……なるとはあまり思えないが、少しでも「MicroServerいいな」と思っていただけたのであれば幸いだ。

■ 在宅勤務でもサーバーのリモート管理ができる「iLO Advanced」
■ 【2020年12月末まで】無償ライセンスの試用期間を拡大中

多くの企業で在宅勤務が強いられている現在、サーバー管理者にとっては、サーバーをリモート管理することの重要性がこれまでになく高まっている。

そこでHPEでは、本記事でも紹介した「HPE Integrated Lights-Out(iLO)」のフル機能が使える「iLO Advanced」評価用無償ライセンスの試用期間を2020年12月31日まで期間を拡大して提供している(通常は60日間)。MicroServer Gen10 Plusに限らず、iLOに対応するHPE ProLiantサーバーシリーズが対象だ。

これにより、管理者は在宅勤務環境においてもサーバーを容易にリモート管理できるようになる。この機会にぜひiLOをご活用いただければ幸いだ。

★ iLO Advanced無償試用版のダウンロードはこちらから ★
(「iLO Advancedを試してみる」から「iLO Advanced試用版ライセンス」登録フォームに進んでください)

(提供:日本ヒューレット・パッカード)

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  • 角川アスキー総合研究所