3月19日、KONAMIから「PCエンジン mini」が販売された。PCエンジン miniは、1987年にハドソンとNECホームエレクトロニクス(旧・日本電気ホームエレクトロニクス)が共同開発した家庭用ゲーム機の復刻版。筐体のデザインはそのままに、手のひらに収まるコンパクトサイズと、日本・海外を含む58の名作タイトルを内蔵している点が主な特徴だ。オリジナルであるPCエンジンの価格は2万4800円(発売当時)だったが、本機の価格はなんと1万1550円! 1万円台で懐かしのPCエンジンを堪能できるのも魅力的なポイントといえる。
恥ずかしながら、私はPCエンジンを含むレトロゲームをプレイしたことがない。ゲームデビューが遅かったこと(平成元年生まれ)と、親にゲーム機を買ってもらえなかったこと、金銭的な都合などが主な理由である。自称ゆとり世代の私(平成生まれ)ではあるが、ゲーマーを語る以上、レトロゲームの知見を深めたい、ゲームの幅をもっと広げたいという強い思いがあった。
そこで今回、レトロゲームの魅力を堪能すべく、編集部に届いたPCエンジン miniを試遊することにした。本記事では、ゆとり世代の私がPCエンジン miniを実際にプレイし、「これは面白い!」と感じた3タイトルを紹介。さらに、PCエンジンにハマっていた編集部員が選ぶおススメの収録タイトルとコメントも取り上げたい。
ときめきとは縁のない私もハマった「ときめきメモリアル」
最初にチョイスしたタイトルは、1994年にKONAMIからリリースされた恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」。「私立きらめき学園」を舞台に、勉強、スポーツ、部活動、デートなどを通して3年間の高校生活を満喫することが目的だ。自分自身に磨きをかけ、個性豊かなヒロインたちと交流することも必須。卒業式当日、伝説の樹の下で理想のヒロインに告白されたらクリアとなる。
ときめきとは全く縁のない私が、なぜ本作を選んだのか。それは、理想の学園生活を創造するシミュレーション要素が思った以上に面白かったからである。勉強、スポーツ、部活動などをこなし、主人公のステータスを強化するのだが、シンプルながらなぜか病みつきになる面白さが秘められている。努力の成果が生活に反映されたときの達成感は、鳥肌が立つほどに気持ちよかった。なんだろう、この多幸感は……。
ヒロインたちの好感度を気にしながら、理想の男性像(?)を構築していく恋愛パートも面白い。大好きなヒロインに褒められる、惚れさせるとうれしいと感じる反面、「自分もこれぐらいポジティブな性格だったらな……」と過去の行ないを悔やむことも多々あった。それはともかく、思春期のときめきをもう一度追体験したい人におススメしたい。
なお、メインヒロインの「藤崎詩織」を攻略するのはかなり難しいことと、ヒロインたちに嫉妬されると恐ろしい事態になることは事前に伝えておく。とくに後者はかなりシビアなので注意。ああ、「薔薇に刺あり」とはこのことか……。
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