インテル Iris Plus グラフィックスの高いグラフィックス性能も魅力
第10世代CoreにNVMe SSDなど高性能、16:10液晶で作業効率もアップしたモバイルノートPC「XPS 13 2-in-1」
2020年03月27日 09時00分更新
デルは、ノートパソコンとしてもタブレットとしても使える2-in-1パソコン「New XPS 13 2in1」が販売中だ。従来機と比べて筐体のデザインやディスプレー、キーボードなどが刷新されており、使い勝手が向上しているだけでなく、インテルの第10世代Coreプロセッサーを搭載し、パフォーマンスがアップしているのも特徴。今回は、ベンチマークを実施してその性能をチェックしていこう。
第10世代インテルCoreプロセッサーを搭載
New XPS 13 2in1は、CPUやストレージ、ディスプレーなどの構成の違いにより、複数のモデルが用意されている。今回試したのは、そのうち第10世代Core i7-1065G7とUHD+(3840×2400ドット)ディスプレーを搭載した「XPS 13 2-in-1プラチナ(UHD+・ブラック)」モデルだ。おもなスペックは次のとおり。
試用機の主なスペック | |
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CPU | Core i7-1065G7(1.3GHz~最大3.9GHz、4コア/8スレッド) |
GPU | インテル Iris Plus グラフィックス |
メモリー | 16GB(3733MHz LPDDR4x メモリー) |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe x4) |
ディスプレー | UHD+(3840×2400ドット) |
XPS 13 2-in-1プラチナ(UHD+・ブラック)は、開発コードネーム「Ice Lake」の第10世代Coreプロセッサーの上位モデルを搭載しているのが大きな特徴。内蔵GPUもUHD Graphicsではなくより高性能なIris Plusが採用されているため、描画性能が要求される動画編集アプリやゲームなどではそれなりの差が出てくるはずだ。そこで、いくつかベンチマークを実行してみた。
まず、「CINEBENCH R20」でCPUの性能をチェックしてみたところ、シングルコアが458pts、マルチコアが1634ptsとなった。前世代のCore i7-8565Uに比べると2~3割パフォーマンスが向上している。
次に試用機の総合的なパフォーマンスをチェックするため、「PCMark 10」を実行してみたところ、下図のように4316というスコアになった。詳細を見ると、マシンの基本性能を示す「Essentials」が8765、ビジネスアプリの性能を示す「Productivity」が6578、クリエイティブ系アプリの性能を示す「Digital Content Creation」が3785になった。
ウェブブラウジングやメールはもちろん、ビジネス文書の作成や写真編集、映像編集まで、幅広いシーンでストレスを感じることなく快適に作業できるはずだ。
続いて、グラフィックス性能もチェックして見た。まず、「3DMark」を試してみたところ、次の結果になった。
3DMarkの結果 | |
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Time Spy | 848 |
Fire Strike | 2748 |
Night Raid | 9978 |
Sky Diver | 8678 |
統合型GPU向けのDirectX 12ベンチマーク「Night Raid」が10000近いスコアとなっており、CPU内蔵GPUとしてはかなり強力なグラフィックス性能を持っているのがわかる。ほかのテストも従来のUHD Graphicsに比べると倍近いスコアとなっており、少し前のエントリー向けディスクリートグラフィックスくらいの性能がある。少しくらい重い程度のゲームであれば、そこそこプレイできそうだ。
そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトは次のように最高品質でも「すごく快適」という結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトの結果 | |||
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グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1920×1080ドット | 13110 | すごく快適 |
標準品質 | 1920×1080ドット | 11533 | すごく快適 |
最高品質 | 1920×1080ドット | 10073 | すごく快適 |
同様に「FINAL FANTASY XIV: 漆黒の反逆者(ヴィランズ) ベンチマーク」も試してみた。フルHD解像度なら、最高品質でもある程度快適にプレイできそうだ。CPU内蔵GPUの中では、インテル Iris Plus グラフィックスはかなり優秀といっていいだろう。
FINAL FANTASY XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマーク | |||
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解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
1920×1080ドット | 標準品質(ノートPC) | 5041 | とても快適 |
1920×1080ドット | 高品質(ノートPC) | 3729 | 快適 |
1920×1080ドット | 最高品質 | 2633 | やや快適 |
ストレージやバッテリー性能も優秀
New XPS 13 2in1のストレージは、モデルによって記憶容量が異なるものの、いずれもPCIe x4(Gen3)接続のNVMe対応M.2 SSDであり、リード/ライトともに非常に高速。「CrystalDiskMark」でストレージ性能を計測してみたところ、シーケンシャルリードが2300MB/秒を超えていた。
実際に使っていてもOSの起動やアプリの立ち上がりなど、いずれも高速でサクサク軽快に作業できた。スリープや休止状態からの復帰も速いので、席を外すなどして作業を中断するような場合もスムーズに作業を再開できる。外出先で使用する機会が多い場合は、この軽快感はとくにありがたい。
出先でモバイルノートを使用する際に、もう1つ気になるのがバッテリー駆動時間の長さ。New XPS 13 2in1の場合、ディスプレーの種類によって駆動時間が大きく変わり、FHD+モデルが最大16時間58分、UHD+モデルが最大10時間50分となっている。今回試したのはUHD+モデルの方だが、実際にはどのくらい持つのだろうか。
そこで、電源プランを「より良いバッテリー」に、ディスプレーの明るさを「40%」にし、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って駆動時間を計測してみた。なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。
その結果、6時間38分の駆動が可能だった。公称値には及ばないものの、普段使いには十分な長さではある。
ちなみに、直販サイトではFHD+モデルとUHD+モデルの差額は3万5000円となっている。FHD+(1920×1200ドット)でも画面の精細さは十分なので、UHD+(3840×2400ドット)にこだわりがないユーザーや、バッテリー駆動時間を重視するユーザーは、コストパフォーマンスに優れるFHD+モデルの方も検討してみてほしい。
New XPS 13の主なスペック | |
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機種名 | New XPS 13 2in1 |
CPU | Core i3-1005G1/Core i5-1035G1/Core i7-1065G7 |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス(Core i3、Core i5)/インテル Iris Plus グラフィックス(Core i7) |
メモリー | 8GB/16GB/32GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD |
ディスプレー | 13.4型FHD+(1920×1200ドット)/UHD+(3840×2400ドット) WLED タッチ対応 |
光学ドライブ | - |
通信規格 | Wi-Fi 6(Killer AX1650)+Bluetooth 5 |
内蔵カメラ | 約92万画素ウェブカメラ |
インターフェース | Thunderbolt 3(電力供給およびDisplayPort対応)×2、3.5mm ヘッドフォン/マイク コンボジャック、microSDカードスロット |
サイズ/重量 | およそ幅296×奥行き207×厚みは7~13mm/約1.33kg |
OS | Windows 10 Home(64bit)/Windows 10 Pro(64bit) |