GPUはゲーミング向けのRDNAと
HPC向けのCDNAに分岐
さて、一番話が盛りだくさんだったのがGPUに関してだ。まず今後の展開として、ゲーミング向けのRDNAと、HPC向けのCDNAの2つに分岐することが明確に発表された。
そもそもRDNAはゲーミングに特化した分、例えばOpenCLの性能はGCNより劣るとか、そもそも倍精度の浮動小数点演算をハードウェアでサポートしていないとか、Radeon向けには良くてもRadeon Instinct向けには明らかに向いてないアーキテクチャーであり、それもあってGCNが引き続きRadeon Instinctには採用されると考えていたが、このGCNをCDNAとしてブランドの再定義をした格好だ。
そのRDNAであるが、先のGPUロードマップとよく似たロードマップが下のスライドだ。
ついにハードウェア・レイトレーシングが入ることになった。まず性能面で言えば、RDNA2ではさらに性能/消費電力比が改善されるとした。
ちなみにどれだけ引き上げられるかというと、RDNA(つまり現在のNAVI 10世代)と比較して50%の引き上げを実現するとしている。
またRDNA2ではついにレイトレーシングのアクセラレーション機能が搭載されることになった。
こちらは詳細はまだ明らかにされていないが、“Common Architecture for PCs and Consoles”ということで、PS5向けのレイトレーシングと同じ仕組みが搭載されるとしている。
さて、一方のCDNAの方である。現在はGCNベースのVegaをベースにしたものがRadeon Instinctに採用されているわけだが、今後はまずML/HPCの性能を強化したものが初代CDNAとして7nm世代で投入され、次いで第2世代のCDNA2が2022年までに投入されることになる。
このCDNAを、ROCmやHIPでサポートすることも明らかにされた。ちなみにHIPそのものは現在オープンソースとして提供されているが、現時点のものはCUDAをRadeon上で動かす(もっと正確に言えば、CUDAを移植可能なC++に変換し、これをAMDないしNVIDIAのGPU上で動かす)ものであるが、今後はプラットフォーム非依存にすることで任意のGPU上で動かせるようになる、という。
ROCm自身も機能強化が進んでおり、今年投入予定のROCm 4.0ではほぼすべてのコンポーネントがそろう予定だ。これにより、Radeon Instinctを利用してのアプリケーションの普及に拍車がかかることを期待していると思われる。
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