Apple Payエコシステムに引き込みたい:
アップル「Apple Card」本当のねらい
2020年02月19日 09時00分更新
●利便性とセキュリティのApple Pay
米国でサービス開始時にApple Payを利用しようとすると、アメリカンエクスプレス、マスターカード、ビザ、ディスカバーといった主要ネットワークのカードを端末内に入れることができます。
グーグルとともにNFCを用いた安全なカード決済の啓蒙をしており、ついにはカード業界も、EMVといわれるクレジットカードに備わったICチップでの決済を標準とするなど、米国のクレジットカード全体の安全性が高まりました。
ユーザーのメリットはひとえにセキュリティ。それまで6ヵ月に1度はスキミングの被害に遭ってカードを再発行する米国生活を送っていた筆者は、Apple Pay導入以来、再発行の必要がなくなりました。もっともApple Payを導入する安全な店を選ぶようになった、というバイアスもかかったはずですが。
事情が違っていたのは日本です。
すでにiD、QUICPay、そしてSuicaをはじめとする交通系ICカードによって非接触決済が実現され、コンビニや駅の施設などを中心に、全国規模で普及していました。そこでアップルは日本向けのiPhone 7からFeliCaチップを入れて前述の3つの決済に対応。むしろApple Pay側が日本のFeliCaインフラをそのまま活用できるようにしました。iPhone 8以降はすべてのモデルでNFC-F(FeliCa)をサポートしています。
そのため、世界中からiPhoneを持ってやってくる人々は、東京で鉄道に乗れたり、コンビニでお買い物をSuicaでこなせるはずなのですが、iPhoneの国設定を日本にしないとSuicaカード追加の画面が出てこないため、その利便性を早期に変更した方が良いかと思います。

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