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名刺管理からビジネスプラットフォームへ向かうSansan

SansanのCMではなぜキーマンに会えないのか?

2019年03月13日 15時30分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders

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 2019年3月13日、Sansanは事業戦略説明会を開催し、法人向けのクラウド名刺管理サービス「Sansan」の新しいプロダクトコンセプトを発表。Sansan 事業部長の富岡圭氏は「名刺管理から、ビジネスがはじまる」を掲げ、ビジネスプラットフォームを目指すことをアピールした。

Sansan 事業部長 富岡圭氏

営業フォーカスの名刺管理から横断的な存在へ

 2007年の創業以来、名刺管理サービスを一貫して手がけてきたSansan。昨年、ミッションを「出会いからイノベーションを生み出す」に変更し、現在は法人向けの名刺管理サービス「Sansan」と個人向け名刺アプリ「Eight」を展開している。

 今回の発表の主役であるSansanは名刺をスキャンし、データベース化することで企業の資産に変えるという法人向けサービス。業種・規模を問わず多くの企業に導入が進んでおり、2019年は6000社以上の導入を目指すという。登壇したSansan事業部長の富岡圭氏は、「Sansanが登場する以前、名刺は紙のファイリングやExcelなどで管理されていた。サービス開始から12年が経ち、名刺はデータとしてクラウド上で管理するのが当たり前となった」と語る。

 サービス開始当初、Sansanはあくまで営業向けのサービスであり、キャッチも「営業を強くする名刺管理」だった。しかし、導入が進むとともに、営業のみならず、マーケティング、経営企画、人事、会計、管理、開発など企業で横断的に利用されるようになった。また、営業支援や顧客管理、マーケティングオートメーションなどのツールとも連携するようになり、企業情報の調査などにも用いられているという。

営業フォーカスだったSansanが横断的に利用されるようになった

 こうした利用用途の拡大や目的に変化にあわせ、Sansanは「名刺を企業の資産に変える」というプロダクトコンセプトを刷新し、横断的に企業活動を支える「ビジネスプラットフォーム」として進化を遂げるという。富岡氏は、「名刺はビジネスを始めるためにある」と指摘し、ビジネスに必要な情報を集約できるプラットフォームとしてSansanを育てていくと説明した。

ビジネスがはじまらない3つの理由とSansanの解決策

 事業戦略説明会の後半では、営業体制やカスタマーサクセス体制の強化といった体制面の強化とともに、Sansan CPO(Chief Product Officer)プロダクト開発部長である大津裕史氏が製品の強化ポイントを説明した。

Sansan CPO プロダクト開発部長 大津裕史氏

 大津氏は、「それ、早く言ってよ~」で知られるSansanの過去のCMを振り返りつつ、「ここでの登場人物はいまだにキーマンに会えていない」と指摘。ビジネスがはじまらない3つの理由として、「出会いが社内で共有されていない」「同僚をうまく頼れない」「出会いの価値に気づけない」などを挙げた。

 これに対してSansanは、①出会いを正確にデータ化し、共有できる「AI名刺管理」、②スムーズに同僚を頼れる「同僚コラボレーション」、③データが正しく統合され、価値に気づける「顧客データHub」の3つの機能で課題を解消する。同僚コラボレーションにおいては、メッセージに加えて新たに「社内電話帳機能」が用意され、Sansanから手軽に連絡先を探せるようになった。また、4月にはSansanのユーザーインターフェイスもリニューアルされるという。

Sansanでは3つの機能で課題を解消する

 こうしたビジネスプラットフォームとしての拡充により、Sansanの導入社数は2020年に1万社を目指す。グローバル展開と現地企業の採用も進め、現在100社の海外導入社数を500社まで増やしていくという。

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