通話定額やゼロレーティングに変化も
そのほか、2020年に変わりそうなことといえば通話定額がある。MVNOの格安SIMといえば以前から音声通話が弱点だった。定額通話オプションが登場しても、頭にプリフィックスをつけてダイヤルするか専用アプリを使う必要がある。その状況に変化が生じそうだ。
2019年11月に日本通信が音声通話サービスの卸契約について総務大臣裁定を申請している。これが認められれば、プリフィックスを付けずに30秒20円を下回る通話や通話定額が実現できるとしている。裁定は日本通信との卸契約に関する問題だが、他社へも波及する可能性は十分ある。
また、特定の動画や音楽配信サービス等のデータ通信量をカウントしない「ゼロレーティング」にも変化がありそうだ。OCN モバイル ONE、LINEモバイルやBIGLOBEモバイルなどでオプション提供しているが、使っている人には一見便利でも、さまざまな問題を抱えており、総務省側から規制される可能性がある。
スマートフォンの価格帯や購入方法が変わり、
回線も変わる2020年
2020年は、格安SIMの回線には目立った変化のない1年となりそうだ。5Gの本格スタートがあり、対応スマートフォンが入手できたとしても、できることに大きな違いはなさそうだ。
そのかわり、スマートフォンは3~5万円程度で機能も性能も備えた機種がさらに充実していくと予想する。iPhoneについても今ウワサの廉価版が登場すれば、そちらも人気が出て、単価が下がっていく。
そして、回線契約と同時に購入するメリットが薄れたため、通信事業者が提供するアプリが山盛りのスマートフォンを買う理由がさらに少なくなる。全体からすれば少数だが、自分でスマートフォンを選べる人は、コストパフォーマンスの高いSIMフリー機種を自分で購入し、SIMを差し替えて使う時代が進むと思われる。

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