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T教授の「戦略的衝動買い」 第563回

令和2年は温故知新の精神で

23年前のソニーのフロッピーディスクカメラ「マビカ」を衝動買い

2020年01月09日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

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3台のスマホの最初のモデルにフロッピーディスクドライブを接続すると給電のみのモードで認識

指先でタップしてファイルを転送を選択しても給電のみに戻ってしまう。2台目はフロッピーディスクドライブを接続してもなんら変化なし

スマホにマビカで撮影した画像を読み込んでみた

 気分的にはOTGをサポートしているスマホなら、USBタイプの周辺機器を接続できそうな気配だ。筆者のスマホでも実際にハードディスクやSSD、USBメモリーなどは読み込むことができているモノがほとんどだ。

最後のスマホはフロッピーディスクドライブを完璧に認識したのでファイルマネージャーアプリを起動した

 ちょうど、我が家にはOTGをサポートしている同じ世代のスマホが3台ほどあるので、順番にテストしてみた。最初のスマホは、フロッピーディスクドライブに給電しようとするが、ファイル転送を選んでもすぐに自動的に給電のみに変わってしまって接続不可。

ファイルマネージャーでは、フロッピーディスクドライブは「MY_PHOTO」というフォルダとして認識された

MY_PHOTOフォルダの中を覗いてみるとマビカで撮影された写真本体とサムネイルらしきファイルが見つかった

 2台目のスマホは、まったく反応なし。最後のスマホは無事接続できて、ファイルマネージャーを起動すると、メインストレージ(スマホの本体メモリー)やSDカードと並んで「MY_PHOTO」というメディアとして認識された。

 MY_PHOTOアイコンをタップすると、パソコンの時と同じく、フロッピーディスクドライブがジーコジーコと音を立てて、実際にマビカで撮影した画像が順に表示された。どうも画像部分が空白で末尾が「411」で表示されているファイルはサムネイルのようだ。

これでマビカで撮影したフロッピーディスクに記録された写真をフリッピーディスクドライブ経由でスマホに読み込むことができるようになった。早速、ボビーの写真などをSNSへアップロードしてみた。チョット手間はかかるがスマホのOTGポートにUSBフロッピーディスクドライブが直接接続できたのは驚きだ

 なんと23年前のマビカで撮影したフロッピーディスクを、23年後の最新のスマホで読み込めていることはなかなかの感動だ。23年の時を超えた記念に撮影した何枚かの写真を、スマホからFacebookにアップして見た。SNSにアップして多くの人に見てもらうだけなら、VGA解像度(640×480ドット)でも十分だ。

SNS上に表示されたマビカのVGAサイズの画像をスマホで見て2度驚いた。一般的なSNSではこの20年以上昔のデジカメ画像でもほとんど問題なさそうだ

 しかし筆者も含め、人間はより速いモノ、密度の高いモノ、小さなモノに憧れるのが一般的だ。そんな人間がスマホのカメラを1億画素を超えるまでに押し上げた。しかし、23年前の38万画素と現代の1億画素を比べてみてももそこに大した意味はない。

古きを知って新しい未来を創る。23年前のマビカは十分そんな素材と成り得る素晴らしい商品だ

 このコラムでも毎週過去12年近く毎回新しいモノをご紹介してきたが、令和100%になった今後は、ジャンルを問わずどこかで衝動買いできるモノなら、発売されたばかりの新製品ばかりではなく、過去の素晴らしい製品も積極的に紹介していこうと考えている。未来を考え創る一番の近道は、巨人の肩の上に立ち、過去を知ることだと確信しているからだ。


T教授

今回の衝動買い

アイテム:ソニー デジタルスチルカメラ「Mavica(MVC-FD7)」
・購入:メルカリ
・価格:8万8000円(1997年夏当時)


T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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