今年もビルダーを魅了!AWS re:Invent 2019レポート 第2回
機械学習の推論チップからFargate for EKS、5Gエッジ「Wavelength」まで―re:Invent 2019
AWSのジャシーCEO基調講演、大量の新発表とその狙いを読む
2019年12月11日 07時00分更新
コンテナ:マネージドKubernetesのEKSでも「AWS Fargate」が利用可能に
コンテナについては、2017年から提供するコンテナ実行環境「AWS Fargate」を大きく取り上げた。Fargateは、コンテナの実行環境としてEC2インスタンスを立ち上げることなく、つまりサーバーレスでコンテナを実行できるサービスだ。
ジャシー氏は、サーバーレスのコンテナ実行環境サービスはAWSしか提供しておらず、サーバーやクラスタのプロビジョニング作業、スケールアウト/イン作業などが不要で、開発者自身でも簡単に扱えるFargateは「非常に人気が高い」と語る。実際、AWSのコンテナサービスにおいては「新規顧客の40%がFargateから利用をスタートしている」という。
そして今回のre:Inventでは、マネージドKubernetesであるEKSにおいてもFargateをコンテナ実行環境(Pod)として利用できる「Amazon Fargate for Amazon EKS」の一般提供開始が発表された。これまではAWSが開発するコンテナオーケストレーターのECSにしか対応していなかったが、EKS(Kubernetes)にも対応したことで、Fargateの利用がさらに進むことが予想される。
「現在、クラウド上で稼働するKubernetesのうち84%がAWS上で稼働している。そして、Kubernetesのマネージドサービスも欲しいという顧客の声が大きかったため、2年前にEKSを開発した。EKSはものすごいスピードで成長している」「(Fargate for EKSの提供によって)EKSの顧客も、ECSと同じサーバーレスのメリットを享受できるようになった」(ジャシー氏)
なおFargateについては今回、「AWS Fargate Spot」も一般提供開始されている。これは“Fargate版のスポットインスタンス”とでも呼ぶべきもので、AWSホストに空きリソースがある場合に、Fargateサービスを通常版(オンデマンド)の最大70%割引(30%の価格)で提供するものだ。ただしAWS側の空きリソースが不足するとユーザーには警告が発行され、その2分後に処理が中断される仕組みだ。したがって大量の並列処理を安価に実行したい場合などに適する。
具体的には、ECSの新機能(ECS Cluster Capacity Provider)を使ってFargateオンデマンドとFargate Spotの利用比率などを設定し、コントロールする仕組みとなっている。そのため、現状ではオーケストレーターにECSを利用している環境にのみ対応する。
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