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今年もビルダーを魅了!AWS re:Invent 2019レポート 第2回

機械学習の推論チップからFargate for EKS、5Gエッジ「Wavelength」まで―re:Invent 2019

AWSのジャシーCEO基調講演、大量の新発表とその狙いを読む

2019年12月11日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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オンプレミス:顧客データセンターにAWSを“分散”する「AWS Outposts」提供開始

 オンプレミス/エッジ環境への対応について、ジャシー氏はまず、2017年から展開してきたVMwareとの協業による「VMware Cloud on AWS(VMC on AWS)」を取り上げた。オンプレミスのVMware環境と同一の管理手法/ツールで扱えるVMC on AWSは、顧客から高い評価を得ており、顧客数は過去1年間で4倍に、また仮想マシン数は9倍に増えているという。

 「ただし、顧客からはこんな声も聞かれる。『VMC on AWSで、オンプレミスのアプリケーションをクラウド移行しやすくはなった。でも、どうしてもオンプレミスに残さなければならないアプリケーションはどうすればいいのか?』」(ジャシー氏)

 これまでのAWSは、こうした顧客の声に応えるソリューションの提供が「不十分だった」と、ジャシー氏は率直に語る。ただし、これまで多様な方法で管理されてきた顧客オンプレミスとAWSクラウドの管理を、簡単に一元化する方法は見当たらない。ジャシー氏は、その両環境を無理につなぐのは「壊れた橋を作る」ようなものだと表現する。

 そこで「AWSクラウドをオンプレミスに分散させる」という新たなアプローチに基づき、昨年のre:Inventで発表したのが「AWS Outposts」だった。今回のre:Inventでは、このAWS Outpostsの一般提供開始がアナウンスされた。

「AWS Outposts」の一般提供開始を発表。顧客データセンター内に、AWSクラウドと一元管理のできるフルマネージドのAWS環境を設置するサービス

展示会場のOutposts実機。24インチ幅の専用ラックにセットアップ済みで納入される。顧客がオンラインでオーダーしたリソース量に応じてサーバー構成は変わる

 Outpostsは、AWSが設計し利用しているハードウェア(サーバーやスイッチ)をラック単位で顧客データセンターに納入、設置し、AWSのマネジメントコンソールからパブリッククラウドのリソースと同様に利用できるサービスだ。顧客データセンターへの設置から稼働後の監視、メンテナンス、アップグレードまで、すべてAWSの専門エンジニアが行う。また、発注時には必要なリソース(EC2のインスタンスタイプなど)を選択することができ、利用開始後も顧客ニーズに応じてリソース(ハードウェア)の拡張に対応する。

 現在、Outposts上で利用できるのは、EC2、EBS、VPC、ECS、EKS、EMRの各サービス。またRDS for PostgreSQL/MySQLもプレビューリリースされている。S3は2020年上半期の対応予定で、利用できるサービスは今後さらに増えていく予定。Availability Zone(AZ)の設定もできる。

 「AWSクラウドをオンプレミスに分散させる」という言葉どおり、Outpostsは特定のAWSリージョン(親リージョン)の“一部分”として、VPCを顧客拠点まで拡張したものとなっている。コントロールプレーンは親リージョン側にあり、Outposts上のアプリケーションから親リージョンで提供されている各種サービスもシームレスに利用できるという。

 なおOutpostsには、上述したAWSネイティブ版(AWS Outposts)と、VMC on AWS版(VMC on AWS Outposts)の2種類がある。VMwareのマネジメントツールで一元管理できるVMC on AWS版は、2020年上半期の提供予定。

 またOutpostsの具体的な導入価格については明らかにされていないが、契約期間は3年間で、全額前払い/一部前払い/前払いなしという3つの支払い方法が選択できる。EC2、EBSの使用料はすべて導入価格に含まれるが、そのほかのAWSサービスは時間単位での追加課金となる。また、Outposts間や親リージョンとの間でのデータ転送料金もかかる。

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