3DMarkはDirectX11ベースだと他を大きく引き離すスコアー!
続いては「3DMark」でグラフィックの性能に差異が出るかをチェックしよう。ご存知の通り総合スコアーにはCPUの演算性能が加味されるため、Graphicsなどの小テスト別のスコアーも比較する。テストは“Fire Strike”と“Time Spy”のみを使用した。
各テストの総合スコアー(グラフのバーでは青。以下同様)を見ると、どちらのテストでもRyzen 9 3950Xがトータル的にトップに立っている。DirectX11ベースのFire StrikeではRyzen 9 3950Xが他を大きく引き離してトップになっているが、DirectX12ベースのTime Spy僅差での勝利に留まる。Time Spyのレンダリング解像度はWQHDであるため、CPUのボトルネック要素が若干解消された結果、差が詰まっているのもTime Spyでスコアー差が縮まった原因のひとつと考えられる。
3DMarkにおけるGraphicsスコアー(橙)は、CPUパワーを極力使わないような設計になっている。今回使用したGPU(RTX 2080Ti)の性能をCPUの違いでどこまで引き出せるか、という観点からいうと、Fire StrikeではRyzen 9 3950XよりRyzen 7 3800XやCore i9-9900KSの方が若干優れているし、Time SpyではCore i9-9980XEの方が僅差で勝っている。
だが、CPUによる物理計算性能(灰色または黄色)では、Ryzen 9 3950Xが圧倒的に強い。16コア32スレッドをTDP105Wの枠内に押し込めたことで、ゲームのグラフィック描画についてはRyzen 7 3800Xに劣ることもあるが、CPUパワーでスコアーを稼ぐ、といったところか。
そしてもうひとつ重要なのは、Ryzen 9 3950XのEcoモードではスコアーがほとんど下がっていないことだ。総合スコアーでみるとデフォルト時と1%〜2%程度しか違わない。物理演算系のスコアーは差が付いているように見えるが、デフォルト時に比べ5%も減っていない。ハイエンドCPUは全力で回してこそ光ると考える人(筆者)には理解し難い考えだが、ゲームではEcoモードもある程度有用なのではないだろうか。
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