「恋人はいない」は古い価値観
ティーン向けファッション誌を見ると、大人世代との価値観の違いに驚くことがある。ティーン向けファッション誌や10代に人気のインフルエンサーに見る、10代の価値観について解説したい。
かつてアイドルは、「恋人はいません」「トイレも行きません」と答えるものだった。テレビなどでも、寝起き設定でもばっちりメイクをしている姿を見たことがある。
しかし、これは古い価値観の世界であり、今の10代は大きく異なっている。「隠し事をしない」「自分に正直に生きる」がかっこいいとされるのだ。
「隠し事はしたくない」と公開
大人世代のアイドルもすっぴんをさらすことがある。しかし、彼らのすっぴんはメイクこそしていなくても、「つけまつげ」「カラコン」「アートメイク」などをした状態であり、「本当のすっぴんではないのでは」と言われることが多い。
ところが、今の10代はそのような中途半端なことはしない。10代に圧倒的人気を誇るインフルエンサー・ねおさんは、自分のYouTube動画で眉毛もなく、カラコンもしていない完全なすっぴんを公開している。
ねおさんはカラコンなしのすっぴんをYouTubeで公開
彼女は、「裸眼が小さいのがコンプレックスだったから公開していなかった」と告白。「みんなに隠し事をするのは良くないと思った」と、告白に至ったという。ねおさんは、ティーン向けファッション誌『ポップティーン』などでも完全すっぴん姿を公開しているが、これは彼女だけではない。多くの読モたちが、潔くすっぴん姿を公開しているのだ。
「努力した」「自分らしく生きてる」が評価ポイント
10代に人気のインフルエンサーやタレントなどは、すっぴんがきれいかどうかよりも、「努力して可愛くなった」ことが評価される傾向にある。10代の子たちは、「自分もなれるかも」と思えるため、応援したくなるというのだ。
また、恋人の存在を公開しており、ツーショットなども多く公開する傾向にある。恋人との付き合い方も公開し、別れたときも隠さないし、新しい恋人も公開したりする。
10代からの支持が熱い渡辺リサさんは、高校生ながら出産したものの、妊娠中に浮気され、子どもの父親と結婚前に別れたことをInstagramで告白。過去に付き合った恋人などの存在もまったく隠していない。
SNS時代、多くのことは公開されており、他人からの視線を意識しながら生きる必要がある。つまり、中途半端に隠すのではなく、あえて自分から公開することを選ぶ子が多いのだ。
10代に大切なのは、生き方が自分らしくてかっこいいかどうかという点だ。インフルエンサーやタレントでも努力している子、応援したい子が10代に人気が出る傾向にあるので、その視点で見てみるといいかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
■Amazon.co.jpで購入
Twitter広告運用ガイド高橋 暁子(著)翔泳社
この連載の記事
-
第297回
デジタル
女子大生の8割以上がショート動画視聴は「最も無駄な時間」 -
第296回
デジタル
SNSに投稿する高校生は今や少数派! 複垢・鍵垢で情報収集がメイン -
第295回
デジタル
夜中に送っておきたいけれど、相手に迷惑かも…… そんなときに便利な「ミュートメッセージ」の使い方を画面付きで紹介 -
第294回
デジタル
合コンはいずれ死語に? Z世代ミレニアル世代は「マッチングアプリ」で出会ってる -
第293回
デジタル
学校貸与PC、子どもは「動画視聴」目的だが、保護者は「調べもの」に使ってほしい -
第292回
デジタル
LINEの便利技! 画像内の文字をテキスト化して翻訳できる -
第291回
デジタル
小中学生の6割が睡眠不足、寝落ちするまでスマホ・SNS・ゲームも -
第290回
デジタル
通勤・通学・外出の移動時に6割の人がスマホでLINEとSNSをチェックする -
第289回
デジタル
LINEで既読を付けずにメッセージを読む方法 -
第288回
デジタル
アメリカ人の4割がTikTokを検索エンジンとして利用している -
第287回
デジタル
若者がないと困るのは財布よりスマホ。忘れたら「取りに帰る」 - この連載の一覧へ