「初音ミクVR」はかなりGeForceが有利
最後に「初音ミクVR」で検証してみよう。画質系の設定は用意されていないので、デフォルトのままとし「ミュージックビデオ」を鑑賞した時のフレームタイムを比較することにした。
©Crypton Future Media, INC. www.piapro.net
●アプリケーション解像度50%の場合アプリケーション解像度50%設定だと、キャラの輪郭部分に粗さが見えてしまうが、どのビデオカードでもVIVE Cosmosで十分なパフォーマンスを発揮できることがわかる。RTX 2060よりもVega 56の方が若干GPUフレームタイムが短いのは、他のゲームの傾向と似ている。
●アプリケーション解像度100%の場合
VRカノジョではRTX 2060はVega 56よりやや劣る印象だったが、この初音ミクVRでは、逆に圧倒的にVega 56のパフォーマンスが悪い。GeForce寄りの最適化になっていることが考えられる。
●アプリケーション解像度150%の場合
初音ミクVRの場合は、かなりGeForce有利であるものの、Radeonの場合はRX 5700無印以上であればアプリケーション解像度100%に十分到達できるパフォーマンスが得られるようだ。以下のグラフはGPUフレームタイムの安定値を比較したものである。
VIVE Cosmosのスペックをフルに引き出すにはそれなりにパワーのあるビデオカードが必須
VIVE Cosmos環境におけるパフォーマンスの傾向は、VIVE Pro環境より若干ビデオカードに対する負荷が高くなっているが、VIVE Proとそう大きく変わるものではないことが分かった。ゲームによってはアプリケーション解像度を低く抑える必要があるが、GeForceならRTX 2070 SUPER、RadeonならRX 5700程度のGPUが“安全パイ”といったところだろう。
もちろんBeat Saverのような軽めのゲームであれば、RTX 2060やVega 56といったメインストリーム級のビデオカードでも良いが、VIVE Cosmosのディスプレーの良さをフルに引き出すのであれば、パワーのあるGPUが必須だ。
前回のAMD編検証では、Radeon環境だと変なフレームタイムが出てきてかなり戸惑ったが、現状では完全に解消され、GeForceと遜色のない感じで利用できた。
しかし、最新のVIVEソフトウェアに含まれている「動き補償機能」は、現在Radeon環境では利用できない。GPUの負荷が危機的な時にGPUの処理を軽減する(当然処理を端折るぶん画質は若干下がる)ため、パワーのあるRadeonを使えば別に気にする必要もない機能だが、機能をフルに使うという点でVIVE CosmosにベストなGPUはGeForce系なのではなかろうか。
(提供:HTC)