スマホメーカーがTVに参入する時代
もはや一家に一台以上あることが当たり前のTV。海外ではネットにつながるスマートTVが主流になりつつあります。スマートTVならNetflixやHuluのアプリをTV本体にインストールして番組を見るなんてこともできるわけです。TVはいわば「超特大の据置型タブレット」なのです。
そんなスマートTV市場では中国のシャオミが低価格を武器に新興国を中心に販売数を伸ばしています。その後を追いかけるように、最近は他のスマートフォンメーカーもスマートTVに進出。中でも注目はモトローラです。
モトローラはインドでスマートTVを2機種販売しています。まず驚くのは価格です。フルHDモデルの32型が1399ルピー(約2万1300円)、43型は24999ルピー(約3万8100円)。そして4K解像度モデルは65型が6499ルピー(約9万9000円)、75型が119999ルピー(18万2700円)。大手メーカーには出せない値段です。
しかし、中国系の製品ならこれくらいの価格は妥当なところ。日本のアイリスオーヤマのTVをみると、フルHDの32型で2万1800円。また、シャオミのTVも4K 65型がインドで6499ルピー。モトローラはこのように低価格を売りにするメーカーと同じ価格で、しかも老舗で安心のブランドと「M」のロゴで新しいビジネスを開拓しようとしているのです。
インドではシャオミのスマートフォンの売れ行きが1位ですが、モトローラブランドはいまでも健在です。2018年にはシェアを急落させてしまいましたが、今でも上位10メーカーの1員として、スマートフォンの新製品を積極的に投入。今年9月に発表された「moto e6 Plus」は新興国を狙った超低価格モデルで、インドでは「moto e6s」として7999ルピー(約1万2100円)で販売中です。
スマートTVの機能はOSがAndroid 9、Googleアシスタントに対応しているのでリモコンに話しかけて天気や予定を聞いたり番組検索をすることもできます。メモリーは1GB、ストレージは8GB。スマートTVですからストレージを必要とするのはアプリのインストール領域くらいですし、重いアプリを使うわけではないのでメモリーも1GBで十分でしょう。CPUはクアッドコア、詳細は不明ですがスマートTV用の低価格な製品は複数の会社が手掛けています。
低価格モデルのためWi-Fiはありませんが、スマートフォンや外部機器との接続用にHDMI端子は2つ(フルHDモデル)または3つ(4Kモデル)、USB端子が3つあります。スマートフォンをWi-Fiで接続したければChromecastなどを買えばいいでしょう。
一人暮らしの人の中には部屋にTVすらなく、スマートフォンとノートPCだけでネットも十分という人も多いでしょう。でもTVが1台あればそれらの外部モニターとしても活用できます。もちろん低価格なTVはいくらでも売っているでしょうが、せっかく家に置くのならばモトローラのようにスマートフォンメーカーのものを選ぶのもいいかも。
残念ながら新興国向けのようで日本など先進国での販売は予定されていませんが、インド旅行の時に家電店で見かけたらちょっと欲しくなっちゃうかもしれませんよ。
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