最新パーツ性能チェック 第268回
NVIDIAのLow Latency Modeをハイスピード撮影で分析
SFVと鉄拳7でGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証
2019年10月27日 20時15分更新
ゲームにおける“ラグ”は、様々な要素が複合したもので、簡単に分離できるものではない。オンライン対戦におけるネットワークのラグから、ゲームのプログラムやコントローラーの出来によるラグ、あるいは人間の加齢や体調によるラグもこれに含まれるだろう。
だが今回取り上げるのは、ハードウェアやドライバーの出来によるラグの話だ。AMDはRadeon RX 5700シリーズを発表する際、Radeonのドライバーにはゲームの入力から、それが実際に画面表示に反映されるまでの時間、即ち「インプットラグ」(End to Endラグとも呼ぶ)を低減する「Radeon Anti-Lag」を実装すると発表した。
これに対してNVIDIAは、即座に「GeForceの場合“レンダリング前最大フレーム数1”設定で同様のことができる」と反論。だが、Radeon Anti-LagのアプローチはCPUのプリレンダを抑制するのではなく、GPUがレンダリングするタイミングに合わせ、CPUのレンダリングタイミングを調整する、というものだった。NVIDIAはこの段階では返り討ちにあった格好だ。
しかし、8月のドライバー(GeForce 436.02)で、Radeon Anti-Lagとまったく同じアプローチの機能「NVIDIA Ultra Low Latency」、略して“NULL”を実装してきた。DirectX 11または9で利用でき、GeForce 436.02以降のドライバーが対応するすべてのGeForceで有効になる。
Radeon Anti-LagではDirectX 9はRX 5700シリーズのみであるため、NULLのほうが若干対応範囲が広いが、DirectX 12ではドライバー側でCPUの処理タイミングを調整できないため、効かないという点においては共通している。
このNULLの効果はどの程度なのかを検証するのが今回の目的だが、まずはラグに特に厳しい目が向けられる格ゲー(格闘ゲーム)でテストする(FPS系は次回)。NVIDIAのNULLは格ゲーマーにとって恩恵となるのか否かを検証したい。
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ