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さとうなおきの「週刊アジュール」 第116回

ドイツリージョン開設、Cognitive Serviceが日本語テキストのセンチメント分析に対応、など

Azure CDNがAzureリージョンからのデータ転送料金を無料化

2019年10月18日 08時00分更新

文● 佐藤直生 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2019年9月8日~9月14日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。

ドイツリージョン

 8月のスイスリージョンに続いて、2018年3月に発表されていたAzureのドイツ中西部リージョン(フランクフルト)、ドイツ北部リージョン(ベルリン)が、利用可能になりました。

 これによって、50の利用可能なリージョン、4の発表済みリージョンを合わせて、Azureリージョン数は54になりました。

Azureリージョン

Azure Backup:最大30TBのディスクのバックアップ

 Azure Backupは、バックアップ/復元サービスです。

 8月に限定パブリックプレビューになっていたAzure Backupでの最大30TBのディスクのバックアップが、パブリックプレビューになりました。

Azure HPC Cache:発表、プレビュー開始

 新サービス「Azure HPC Cache」が発表され、プレビューが始まりました。

 Azure HPC Cacheは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けのファイルキャッシュサービスです。

 Azure HPC Cacheは、買収していたAvere SystemsのFXT Edge Filerのテクノロジを基にしたマネージドサービスであり、オンプレミス、Azure両方で検出されたアクティブなデータをAzureで自動的にキャッシングします。

Azure HPC Cache

Azure ExpressRoute:衛星通信

 Azure ExpressRouteは、Azureとオンプレミスとの間のプライベート接続を提供するサービスです。

 Azure ExpressRouteの接続プロバイダーとして、衛星通信業者のIntelsat、SES、Viasatがサポートされました。

Azure ExpressRouteの衛星通信サポート

 Azure ExpressRouteで、コペンハーゲン、ストックホルム、ミュンヘンのmeet-meサイト(ExpressRouteの場所)が利用可能になりました。

Azure Content Delivery Network:Azureリージョンからのデータ転送料金

 Azure Content Delivery Network(Azure CDN)は、世界中のユーザーへのコンテンツ配信を高速化するCDNサービスです。

 Azure Content Delivery Networkで、オリジンとなるAzureサービスのコンテンツをキャッシュする際に、これまではオリジンのAzureリージョンからCDNへの送信データに対して、データ転送の料金が発生していました。

 今回、この料金が無料になりました。

Azure Content Delivery Network

 Azure CDN Standard/Premium from Verizonでの独自のSSL証明書の持ち込み(BYOC)機能、Azure CDN Standard from AkamaiでのCDNマネージドSSL証明書が、GAになりました。

 また、Azure Content Delivery Networkで、Apex ドメインがサポートされました。

HashiCorp Consul Service on Azure

 HashiCorpが、「HashiCorp Consul Service on Azure」を発表し、プライベートベータが始まりました。

 HashiCorp Consulは、サービスメッシュなどの機能を提供するサービスネットワークプラットフォームです。HashiCorp Consul Service on Azureは、HashiCorp Consulのマネージドサービスです。

 また、AzureでのHashiCorp Terraformの継続的な強化、両社が関わっているCoud Native Application Bundle(CNAB)Core 1.0仕様の最終ドラフトも、共有されています。

HashiCorp Consul Service on Azure

Azure Cognitive Services:Text Analyticsのセンチメント分析での日本語サポート

 Azure Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。

 Azure Cognitive Servicesの1サービスである「Text Analytics」は、テキスト分析機能を提供するサービスです。

 7月にパブリックプレビューになっていたText Analyticsの感情(センチメント)分析機能のv3で、新たに日本語、簡体中国語がサポートされました

Azure Media Services:Video Indexerのアニメーションキャラクター認識、多言語識別/文字起こし

 Azure Media Servicesは、メディア配信サービスです。

 Azure Media Servicesの一機能である「Video Indexer」は、ビデオに対して、書き起こし、顔認識、文字認識、主要フレーム抽出、感情分析、翻訳といった機能を提供するサービスです。

 Video Indexerで、次の新機能がプレビューになりました。

 Azure Media Servicesで、2つの新しいライブストリーミング機能が、プレビューになりました。

  • ライブイベントでの、AIを活用したリアルタイムの文字起こし
  • 24時間配信のOTT(Over-The-Top)チャンネル向けのリアルタイムリニアエンコード

Video Indexerのアニメーションキャラクター認識

Azure SQL Database:Azure Data Studioの9月リリース

 Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。

 Azure Data Studioは、SQL Server、Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouseでのモダンなデータベース開発、運用のための、Windows、macOS、Linuxで動作する軽量なツールです。

 8月リリースに続いて、Azure Data Studioの9月リリースが利用可能になりました。このリリースでは、クエリエディターのSQLCMDモードなどの新機能があります。

Azure Data Factory:Netezzaからの並列コピー、Azure Data Explorerへのバルクコピー

 Azure Data Factoryは、データ統合サービスです。

 Azure Data FactoryのNetezzaコネクタで、Netezzaからデータを並列でコピーするためのデータパーティション分割がサポートされました。

Azure Data Factoryでの、Netezzaからの並列コピー

 Azure Data Explorerは、大規模データに対してアドホッククエリを実行できる、データ探索サービスです。

 Azure Data Factoryで、データベースからAzure Data Explorerに大量のデータをバルクコピーするためのテンプレートがリリースされました。

データベースからAzure Data Explorerに大量のデータをバルクコピーするための、Azure Data Factoryテンプレート

Azure Maps:アルゼンチン、インド、モロッコ、パキスタンのサポート

 Azure Mapsは、地図、検索、ルート検索、交通量などのAPIを提供する地理空間サービスです。

 Azure Mapsが、アルゼンチン、インド、モロッコ、パキスタンで利用可能になりました。また、RESTサービス、Azure Maps Web SDK、Android SDKを通じて利用できる機能強化もいくつかリリースされています。

 Azure Mapsは、現時点では日本、日本語がサポートされていません。

 それでは、また来週。

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