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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第632回

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」と思い切って単焦点中望遠で出かけよう

2019年10月14日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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iPhoneが活躍する場所ではiPhoneを使う

 さて、わたしは猫も好きだけど、神社も好きなのである。神社の本を書いちゃうくらい(「古地図と地形図で楽しむ東京の神社」光文社 知恵の森文庫)。買い物の途中、そういえばこのあたりに古くて小さい稲荷があったなと立ち寄ってみると、影も形もない。狭い路地の奥だし、道を間違えたかな、確かめてみようとたまたまそこにいた近所のおっちゃんに話しかけてみると、2〜3年前に土地を売ったみたいで整地して家になっちゃったよ、という。稲荷は他の神社に合祀されたそうな。

 こういうのは地元の古い人尋ねるのが楽しい。でもわたしの目は途中から、そのおっちゃんの斜め後ろに釘付けになってたのである。稲荷跡地に気を囚われてて気づかなかったのだ、猫の存在に。めちゃ貫禄がある猫が気配を消して佇んでたのである。その名前は金太郎。首輪をつけ、ひもがくくりつけられている。

涼しい顔でおっちゃん(飼い主)の横に佇んでた金太郎。薄いチャトラと白の組み合わせがほのぼのしててよい。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 おっちゃんいわく「この猫、誘拐されたことがあってさ、見つからないので近所に貼り紙でもしようかと思ってたら、××公園(そこから直線で約2kmくらい)にいましたよって教えてくれた人がいたんだよ。観に行ったら金太郎で、人なつこい猫だから連れてかれちゃったんだろうね。それ以来、誘拐されないようにひもをつけてるんだ」と。

 こんな住宅街の小さな路地にいるなんてことない猫を誘拐するとかよくわからん。いや、よくわからん人がいるという前提で警戒しなきゃいかんのか。この金太郎、ひもをいやがるでもなく、おとなしくちょこんと台の上に座ってる。近づいても平然としてるので、顔をアップで撮ってみた(冒頭写真)。撫でながら撮ろうと思ったのだけど、そういうとき56mm F1.4では望遠過ぎる。今日は買い物ついでなので広角レンズなんて持ってきてない。

 そんなときはiPhoneの出番。iPhoneの画質が上がってるのでこういうときうれしいわ。

指先を差し出したら興味を持ってくれたのでちょっとうれしいのだった。左手に持ったiPhone 11 Proで撮影。2019年10月 アップル iPhone 11 Pro

 そして「金太郎、じゃあね」と言ったら、金太郎ものっそり立ち上がってくるっと踵を返してあっちへ行こうと……したときに気づいた。金太郎は鍵しっぽじゃん。長崎の猫に多いというので有名な鍵しっぽ。もちろん長崎以外にもいるんだけど、こんなに立派になのはなかなかみない。思わずiPhoneで撮っちゃったのだった。

見事な鍵しっぽだったのだった。思わず指差して撮ってしまった。2019年10月 アップル iPhone 11 Pro

 かくして、デジタル一眼には猫をカッコよくピシッと撮れるお気に入りのレンズを装着し、それ以外はもうiPhone 11 Proで済ませちゃうという両極端体勢ってのもいいなあと思う今日この頃なのです。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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