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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第632回

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」と思い切って単焦点中望遠で出かけよう

2019年10月14日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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56mm F1.4をつけて目元にピントを合わせて「金太郎」のアップ。超然とした貫禄の猫でした。目にだけピントが合って鼻や胴がほわっとぼけてるのが素晴らしい。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」と
単焦点レンズの組み合わせが意外と良い

 最近、普段の外出ではどんな被写体に出会っても対応できる12-200mmF4、つまり高倍率の便利ズームを付けることが多かった。このレンズ、1本で何でも撮れちゃうので、人間堕落ズームと呼んでるくらい便利すぎて不精者にはぴったりなのだが、便利すぎると人間堕落するのだ。でもちょっと考えた。

 iPhone 11 Proのカメラのデキが非常によいので、ちょっとしたスナップはiPhoneに任せることにして、デジタル一眼には「得意なシーンではめちゃいい写真を撮れるのだけど、撮れないシーンもいっぱいある」単焦点レンズをつけていったら楽しいんじゃね?

 iPhoneに任せるなんてそれはそれで堕落じゃないかという気もするのだが、なに、堕落してもいいとこといけないとこのメリハリが大事なのだ。今思いついたんだけど。で、カメラはE-M1 Mark IIでレンズはシグマの 56mm F1.4。個人的には猫撮り専門レンズである。

オリンパス「E-M1 Mark II」にシグマの「56mm F1.4 DC DN」を装着。この組み合わせはめちゃお気に入り

 このレンズ、マイクロフォーサーズにつけると112mm相当になるので、猫を撮るにはちょうどいい画角だし、ほどよくぼけてくれるし、絞り開放で撮ってもシャキッとしてるし、何より価格も手頃でコンパクト。

 猫が遠くて、これで望遠側が足りないときは潔く諦める。多少望遠が足りないくらいならトリミングして対処すればOK。ちょいと買い物に行く途中、どこで何があるかわからないので小さなカメラバッグにこの組み合わせでつっこんで行ったのだが、アパートの階段にもこっとしたものがいたのである。階段の途中という撮りやすい位置にちょこんと座ってるのがすばらしい。ちょっとおじゃまして正面から。

 こういうときって背景がきれいにぼけてくれないと、アパートの階段ならではの後ろに抜けてる感が出ないわけで、明るい単焦点レンズの出番なのだ。

アパートの階段猫。こういうときの階段はちょっと塗装がはげて錆が浮いてるくらいがいい。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 ふと下をみると、こっちを見てる奴がいた。まさか塀にも猫がいたとは気づかず、申し訳ない。

下から不審者を見る目で見られた。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 塀の猫を見下ろすってのもオツなものだなと思ったら、なんとその奥にももう1匹発見。ズームレンズならぐぐっと広角側にすればいいのだが単焦点だとそれができない。でも縦位置にすればいい。もうちょっと絞って、後ろの猫が猫であることがわかるようにすればよかったかなあと今頃思ってるけど、まあそれはそれ。

なんと、塀の上で2匹が向かい合っていたのだった。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 単焦点の明るいレンズって最適な構図で撮れる位置に自分が動くのが基本なのだけど、猫が相手だと、こっちが動くとそれに反応して動いちゃうので難しい。2匹をキレイにおさめようとそーっと動いたのだけど、警戒されちゃって、後ろ向いてとことこと逃げていって……奥にいるチャトラに邪魔されて、でもチャトラは動く気がまったくない。見ててちょっとおかしかった。もうしょうがねえなって顔をした瞬間を撮影。

けっこうトリミングしたけどそれでも元の解像感がよいので気にならないのだ。レンズのクオリティーは大事。2019年10月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

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