このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 次へ

第3世代Ryzen+RX 5700などの最新AMD環境でVIVE Proがどれだけ快適か徹底検証!

2019年10月07日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラ ハッチ

sponsored

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「VRカノジョ」でもSS50%設定がオススメ

 最後に試すのは「VRカノジョ」だ。画質はプリセットの“クオリティー”とし、おさわりモードの“勉強中”でキャラの胸部に視線を集中させた時に計測している。

「VRカノジョ」の検証を行ったシーン。家族の目に触れないよう、深夜の検証を強いられた

●SS50%の場合

Radeon VIIのフレームタイム。特に問題なし。書き込みが濃いためなのかCPUフレームタイムもそれなりに長い

Radeon RX5700 XTのフレームタイム。コンポジターの時間はRTX 2080よりもわずかに短い

Radeon RX 5700のフレームタイム

Radeon Vega 56のフレームタイム

Radeon RX 590のフレームタイム。13〜14 msになるので素早い追従は辛い

GeForce RTX 2080のフレームタイム

 RX 590が唯一11msをオーバーしてしまったが、最安2万円台前半の製品であることを考えると、コストパフォーマンス的には十分すぎる結果といえる(Vive Proを買える人がRX 590を組み合わせるかは別として……)。その他のGPUについては、特に問題なく利用できる。これならどんな角度から鑑賞しても怖くない。

●SS100%の場合

Radeon VIIのフレームタイム。ギリギリ10ms台に踏みとどまっている

Radeon RX5700 XTのフレームタイム。ここでも負のフレームタイムが観測。断続的に正の値になっている時も観測できるが、それでも11msを越えている

Radeon RX 5700のフレームタイム

Radeon Vega 56のフレームタイム

Radeon RX 590のフレームタイム。RX 5700や5700 XTとは違い、こちらはフレームタイムがしっかり正の値で観測できている。とはいえ22msを超える時もあるのでなんとか動いている程度だ

GeForce RTX 2080のフレームタイム。11msを越えてしまうことが大半となるが、45fpsで十分堪能はできる程度

 SS100%にするとVega 56〜RX 5700 XTまでの3モデルは表示までのラグが増加していることを示すフレームタイムが観測された。GPUの描画性能が低くなるほど緑の線も高い位置で安定するようになるため、視線を移動させた際の違和感がより強くなる。

 RX 590はフレームタイムが正の値で観測できているが、この場合もラグを示す緑の線が2〜3で安定しているため、違和感はそれなりに大きい。

●SS200%の場合

Radeon VIIのフレームタイム。負荷が重すぎるのか、Radeon VIIでも緑のラインが5〜6で安定するようになった

Radeon RX5700 XTのフレームタイム。CPUのフレームタイムのグラフが凄いことになっているが、赤が多い=描画の遅れが原因なので、CPUパワー不足ということではない

Radeon RX 5700のフレームタイム

Radeon Vega 56のフレームタイム

Radeon RX 590のフレームタイム

GeForce RTX 2080のフレームタイム。RTX 2080には荷の重い設定なのか、フレームタイムは18〜20msの高レベルで安定するようになる

 このゲームは1つ前の「Wolfenstein: Cyberpilot」以上にRadeonと高負荷設定の組み合わせが良くないゲームといえる。GPUパワーが低いものほど、GPUフレーム側の緑や水色(どちらもラグの大きさを示す)が増え、赤(リプロジェクションされている時間)も長くなる。

 視線移動時の画面更新の違和感もこれに連動して増えていくため、Radeon環境でこのゲームを楽しむなら、画質を絞り、SS値をあまり上げない工夫が必要になるだろう。

「VRカノジョ」のGPUフレームタイムの傾向。Radeon勢はSS値を上げると負の値を示すことが多かった

CPUパワーは十分だが、重めのVRゲームではSS値を抑えめが好ましい

 以上で最新AMDプラットフォームにおけるVIVE Proのパフォーマンス検証は終了だ。「Beat Saber」のような軽めのゲームでは全く問題がないものの、描き込みの重いVRゲームの場合、SS値を50%(≒Vive Proのドット等倍)に設定しないと、逆にリプロジェクションやラグが発生しやすくなる傾向が見られた。

 今回チョイスしたゲームがたまたまGeForce向けの最適化がよく当たっている可能性も高いが、Radeon自体のドライバーとVRゲームの相性に問題がある可能性も捨てきれない。Radeon環境で遊ぶ場合は、SS値を抑える、つまりレンダリング解像度を落とすことが快適プレイの近道といえるだろう。

■関連サイト

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 次へ

カテゴリートップへ

HTC VIVE Facebookページ