「VRカノジョ」でもSS50%設定がオススメ
最後に試すのは「VRカノジョ」だ。画質はプリセットの“クオリティー”とし、おさわりモードの“勉強中”でキャラの胸部に視線を集中させた時に計測している。
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●SS50%の場合
RX 590が唯一11msをオーバーしてしまったが、最安2万円台前半の製品であることを考えると、コストパフォーマンス的には十分すぎる結果といえる(Vive Proを買える人がRX 590を組み合わせるかは別として……)。その他のGPUについては、特に問題なく利用できる。これならどんな角度から鑑賞しても怖くない。
●SS100%の場合
SS100%にするとVega 56〜RX 5700 XTまでの3モデルは表示までのラグが増加していることを示すフレームタイムが観測された。GPUの描画性能が低くなるほど緑の線も高い位置で安定するようになるため、視線を移動させた際の違和感がより強くなる。
RX 590はフレームタイムが正の値で観測できているが、この場合もラグを示す緑の線が2〜3で安定しているため、違和感はそれなりに大きい。
●SS200%の場合
このゲームは1つ前の「Wolfenstein: Cyberpilot」以上にRadeonと高負荷設定の組み合わせが良くないゲームといえる。GPUパワーが低いものほど、GPUフレーム側の緑や水色(どちらもラグの大きさを示す)が増え、赤(リプロジェクションされている時間)も長くなる。
視線移動時の画面更新の違和感もこれに連動して増えていくため、Radeon環境でこのゲームを楽しむなら、画質を絞り、SS値をあまり上げない工夫が必要になるだろう。
CPUパワーは十分だが、重めのVRゲームではSS値を抑えめが好ましい
以上で最新AMDプラットフォームにおけるVIVE Proのパフォーマンス検証は終了だ。「Beat Saber」のような軽めのゲームでは全く問題がないものの、描き込みの重いVRゲームの場合、SS値を50%(≒Vive Proのドット等倍)に設定しないと、逆にリプロジェクションやラグが発生しやすくなる傾向が見られた。
今回チョイスしたゲームがたまたまGeForce向けの最適化がよく当たっている可能性も高いが、Radeon自体のドライバーとVRゲームの相性に問題がある可能性も捨てきれない。Radeon環境で遊ぶ場合は、SS値を抑える、つまりレンダリング解像度を落とすことが快適プレイの近道といえるだろう。