軽くて分かりやすい「Beat Saber」
手始めに「Beat Saber」を使って検証を行う。設定類はデフォルトのままで、シングルプレイモードで曲名“Beat Saber”をHardモードで完走した時のフレームタイムを以下に示す。最近はModでアバターを出すのが流行だが、その手のMod類は導入していない。
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●SS50%の場合
どのGPUでもCPU/GPUともに11ms以内で処理を終えている。つまり90fpsで滑らかな表示が堪能できるというわけだ。
ここで注目したいのはRadeonとGeForceの違いだ。RTX 2080とRX 5700 XTを比較すると、微妙にRTX 2080の方がフレームタイムが長くなっている。特にCPUのフレームタイムに注目すると、同じCPU(Ryzen 7 3800X)でもRTX 2080の方がコンポジター処理(緑)の領域が広い、つまり時間がかかっていることを示している。
ただせいぜい1〜2msなので、快適度を左右するような決定的な違いではないことを力説しておきたい。少々コンポジター処理が長くなっても、11ms以内に終えているので問題はないのだ。
●SS100%の場合
SS100%、即ちレンズ中央部分の解像感にフォーカスした画質だと、VR空間の向こうから飛んでくるノーツ(箱)のシェイプもクッキリと見える。この状況でも全てのGPUが11ms以内で処理を終えている。ただRX 590は8〜9msなのでExperetモードでノーツが無数に飛んでくると厳しくなる可能性があるかもしれない。
また、Vega 56とRX 5700の間に大きな性能ギャップが潜んでいることも見てとれる。この後に紹介するゲームでもほぼ共通するが、GCN世代のRadeonはRDNA世代のRadeon(RX 5700シリーズ)に比べパフォーマンス的にかなり見劣りする印象だ。
●SS200%の場合
SS200%にすると、安価なRX 590では重すぎて処理が間に合わないケースが度々出現するようになる。緑の領域の先端が11msのラインを突破しているため、内部的にはフレームレートが著しく低下している。ただSteamVR側で前のフレームを挿入するリプロジェクションが発動し、見かけ的に90fpsが維持されているように見えるので、プレイ自体にほとんど違和感はない。SS200%でプレイするなら、RX 5700より上のGPUをチョイスしておきたい。
また細かい差異として、今回試したRadeon勢上位3GPU(Radeon VII〜RX 5700まで)は、SS200%にするとGPUフレームタイムが一気に伸びるのに対し、比較対象として加えたRTX 2080はSS100%と200%の差が小さい点に注目したい。GPUのアーキテクチャーの違いが、フレームタイムにも影響している一例といえる。
以下のグラフはBeat Saberをプレイしている時のGPUフレームタイムの安定値を目測で読んだものの比較だ。Radeon VIIはRX 5700 XTより価格的に上位にあるが、アーキテクチャーが古いためRX 5700 XTよりも遅い(フレームタイムが長い)傾向にあることが読み取れる。