様々な業務課題を「Windows 10 IoT」で解決! 第6回
導入の不安は専門家・菱洋エレクトロに聞け
間近に迫ったWindows 7 EOS、その移行方法を改めて整理する
2020年01月06日 11時00分更新
Windows 7 EOS後の選択肢は大きく4つ
目前に迫ったWindows 7 EOSへの対策としては、大きく4つの選択肢がある。
Windows 7 EOS後の選択肢
- Windows 7をギリギリまで使い続ける(ESUの利用)
- Windows 7をギリギリまで使い続ける(Windows 7 for Embedded Systemで継続する)
- Windows 10が初めから入った機器に入れ替える
- Windows 7が動いている機器にWindows 10を入れる(Field Upgrade)
1については後述するが、2020年の1月のWindows 7 EOS以降も、実は有償の“拡張サポート”を利用することで、Windows 7のまま、搭載機器のセキュリティを確保するという抜け道がある。これが「Extended Security Updates」(ESU)だ。ただし、条件を考えるとあまりお勧めはできない。
3と4は、ともにWindows 10に移行する選択となる。ハード自体を入れ替える場合、導入コストが高くなる。一方、機器はそのままでOSだけWindows 10にした場合はデバイスドライバーなどが確実に動作するかの確証が得にくい。かつ共通する課題として、Windows 10から導入された、半ば強制的な機能アップグレードにどう対処するかもポイントとなる。
それぞれの特徴と課題への取り組み方について、順に見て行こう。
【対策1】有償拡張サポートを利用し、Windows 7をギリギリまで使い続ける
すでに書いたように、Windows 7の延長サポートは2020年に終了となる。しかし、有償にはなるが、ESUを利用することで、2023年1月までの期間、Windows 7の拡張サポートを受けることができる。
ここで注意したいのは、その選択が必ずしもコスト面では有利でないことだ。料金については、具体的な数字が出ていないが、ESUを利用するためには、エンタープライズ向けのプレミアサポートに加入し、さらにWindows 7を使い続ける機器1台1台について延長サポート料金を支払う必要がある。さらに、この延長サポート料金は年更新型となっており、更新するたびに料金が上がっていく。
つまり、すでにWindows 10への移行は進めているが、Windows 7の導入規模が大きく、サポート終了期限までに機器の入れ替えがどう考えても終わらない企業に向けた、延命措置なのである。当然料金も割高であり、新しい機器に入れ替えられるのであれば、そのほうがメリットがある。メリットが得られるとしたら、企業内シンクライアント端末などをESUで少し延長して使うといった用途だろう。
同様に、組み込み用途では、ATMや金融システムなどは簡単に機器の入れ替えができない。新OSの採用は、そのOSが市場に出てから一定期間が立ち、安定性が確認できてからとなるし、通常4~5年で入れ替えサイクルがくるパソコンとは異なり、ATMなどのハードは15年ほど使い続けられる。まだ数年しか稼働していない端末を、OSのアップグレードという理由だけで入れ替えるのは現実的ではない。また、高価な医療機器なども7年、10年と製品寿命が長く、頻繁に入れ替えるものではない。
このようにESUの利用は、いまWindows 10には替えられない、替えた場合に明らかにデメリットがある場合を除いては、選択肢になりえない方法だ。Windows 7環境を維持することに対し、積極的で不可避な理由がある場合のみ有効な選択と言えるだろう。
【対策2】Windows 7ダウングレード権行使の場合は注意
なお、2については後述するField Updateと近い考え方になるのだが、PCを購入した際にWindows 10のダウングレード権を行使し、Windows 7を使用しいる場合、EOSのタイミングでOSをWindows 10に戻さなければならない。しかし、Windows 7を使い続けたい場合にどうすればいいかということになる。
後述するように、菱洋エレクトロではField Updateの一環として対応の相談に乗ってくれるようなので、必要に応じて問い合わせる方法がある。
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