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様々な業務課題を「Windows 10 IoT」で解決!第5回

Windows 10 IoT Enterprise搭載堅牢タブレット新製品「LZ-WA10シリーズ」に注目

「薄さ」と「頑丈さ」を両立、ロジテックの堅牢タブレットが生産ライン現場をDX

2019年09月17日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 あらゆる業種業態でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、生産ラインの品質管理をデジタル化するケースも珍しくない。だが、精密機械であるPCやタブレットを過酷な現場に持ち込むことは簡単ではない。今回は、生産ラインの現場のニーズから生まれた堅牢タブレット、ロジテックINAソリューションズの「LZ-WA10シリーズ」に注目する。

ロジテックINAソリューションズ ビジネスソリューション部 マネージャー 山田真也氏(左)、同社 PC開発部 標準PC開発チーム 時川昌大氏(右)

35%の軽量化に成功、防塵防滴で落下にも強い新製品

 ロジテックINAソリューションズは、コンピューターや周辺機器の研究開発から製造販売までを手掛ける。前身となるロジテック社は1982年創業の歴史ある企業であり、2004年12月にエレコムによる株式取得によりエレコムグループに加わった。その後2010年にグループの1社としてロジテックINAソリューションズが設立している。

 今回紹介するのは、同社が開発する堅牢タブレットブランド「ゼロショックタブレット」から、2019年9月に発売された新製品「LZ-WA10シリーズ」だ。

新製品「LZ-WA10シリーズ」(左)、旧モデル(右)から約30%薄型化

 ゼロショックタブレットは、食品や工業製品の生産ライン、エレベーターやビルの設備点検など、過酷な環境での業務使用に耐えるように開発されている。IP65準拠の防塵防滴、耐衝撃の性能を持ち、非動作時で1.2メートルからの落下にも耐えうるMIL-STD-810G(United States Military Standard: デバイスの環境耐性を決定する試験方法)に準拠する。堅牢性を確認するために、開発工程では数千回の自由落下試験や耐振動試験を繰り返しているという。

 加えて、新製品「LZ-WA10シリーズ」は、「検品業務など、タブレットを手に持って長時間の作業することを想定し、薄さと軽さを追求した」とロジテックINAソリューションズ ビジネスソリューション部 マネージャー 山田真也氏は説明する。前モデルの「LT-WMT10シリーズ」と比較して約30%のスリム化と約35%の軽量化に成功し、13.3ミリメートルの薄さと795グラムの軽量化を実現した。マイナス10℃~50℃の温度環境下での動作も保証し、寒冷地での屋外使用や冷凍庫での在庫チェックのような用途にも対応する。

「長時間手に持って作業することを想定して、薄さと軽さを追求した」(左)

 また、LZ-WA10シリーズのタッチパネルディスプレイは静電容量方式を採用ながら、動作モードの切り替えなしで手袋や濡れた手でのタッチ操作を可能にした。開発を手掛けたロジテックINAソリューションズ PC開発部 標準PC開発チーム 時川昌大氏は、「旧シリーズでも手袋をした状態で操作できたが、手袋の有無によって動作モードを切り替える必要があった。新シリーズでは手袋の有無に関わらず動作モードの切り替えなしでタッチ可能になった」と説明した。

開発チームは「放熱」の課題を克服

 薄型化・軽量化と堅牢性、この両立を実現するために同社の開発チームは試行錯誤を重ねた。大きく問題になったのは“放熱”だったという。IP65準拠の防塵防滴を実現するLZ-WA10シリーズは密閉構造となるため、一般的なPCのように、温まった空気を外部に排出するような排熱はできない。そのため筐体表面から排熱する必要があるが、熱を拡散させるなどして、熱さを感じにくいようにした。(時川氏)。

 一時期はプロジェクトが頓挫しかけたこともあったが、何度も試作を繰り返し、課題の洗い出しや改善を重ねてきた。試行錯誤の末、筐体の熱伝導の最適化によって課題を解決し、ギリギリのスケジュールで開発が完了したという。

「開発では放熱が課題だった」

生産の現場ではWindows 10 IoT Enterpriseにニーズ

 LZ-WA10シリーズは、OSにWindows 10 IoT Enterpriseを採用し、最長10年間機能を固定して利用できるLTSCチャネルを選択している。その理由について、山田氏は「業務用タブレットでは、同じアプリを使い続けたいというニーズがある。また、Windowsアップデートによって業務に支障が出ることを懸念するユーザーが多い」と説明した。

 同社のゼロショックタブレットを導入している企業は、ストレージへの書き込みを仮想オーバーレイにリダイレクトすることで構成を保護するUWF(Unified Write Filter:統合書き込みフィルター)を利用しているケースが多いという。「ボリューム導入されるお客様向けにアプリ導入や設定を反映させたマスターイメージを作成し、リカバリーメディアとして付与するサービスも提供している。お客様側の理由で初期化しなければならない場面でもダウンタイムを最小限に抑えられるため、高い評価をいただいている」(山田氏)。その他の特徴として、厳密にはロックダウン機能に含まれないものの、ロック画面に特定のUWPアプリを実行するキオスクモードや、実行可能なアプリを制限することでセキュリティリスクを軽減するAppLockerもビジネスの現場で重宝されているそうだ。

新製品「LZ-WA10シリーズ」はデバイスの四隅に特徴がある

業務用タブレットは「信頼」と「長期供給」が重要

 ロジテックINAソリューションズはWindows 10 IoT Enterpriseでエンベデッドビジネスを推進している。企業名に含まれる"INA"は長野県伊那市の本社および伊那工場を指し、国内自社工場における開発と保守体制を用意してきた。長期にわたってデバイスを使い続けるエンベデッドビジネスは、「管理体制やコミュニケーション環境を重視するお客様が多く、工場見学が欠かせない」(山田氏)。同社グループ会社では、仕様書もない段階から受注し、顧客と共にビジネスを組み立てるケースも少なくないという。

長野県伊那市の工場での落下試験

 同社は、ゼロショックタブレットについて最大3年間の長期供給を実現している。山田氏は、「Windows 10 IoT Enterpriseのサポート期間は10年なので我々も努力するべきだが、タブレット端末は数年で機能が陳腐化するので5年供給など今より長期供給が必要なのかどうか」、バランスを見極めながら、さらなる顧客対応期間の拡大を目指すと語った。

(提供:菱洋エレクトロ)

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