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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第52回

iPhone以外の製品で競争力を確保するねらいか:

アップルがインテルのモデム事業を取得する理由

2019年07月24日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●インテルはコンピュータ向けに注力、アップルは?

 インテルは2011年にインフィニオン・テクノロジーズ(Infineon Technologies)から14億ドルでモデムビジネスを買収しましたが、スマートフォン部門は毎年10億ドルの赤字を生み出しており、しかも開発がうまくいっていなかったとされていました。

 スマートフォン向けチップのビジネスを手放すと見られるインテルですが、パソコンなどの5G対応に向けた開発は手元に残す計画です。今後のテクノロジーにおいて、5Gは中核となる技術となり、スマートフォンだけではない様々なデバイスに対して5Gが通信基盤として入っていくことが期待されているからでしょう。

 一方のアップルはどうでしょうか。

 アップルはひとまず、クアルコムとの間で、2年間の延長オプション付きの6年間のライセンス契約を結び、また複数年にわたるチップセット供給を受ける契約も交わしました。iPhoneに関しては、こうして5G対応モデルをリリースする道筋をつけています。

 もちろん、チップ供給を通じてiPhoneの5G対応を進めることになりますが、4Gまでの通信とは異なるノウハウが必要になる5G対応は、単にチップ供給を受けるだけで製品として最大の効率性を発揮するというわけにはいかないでしょう。

 その意味でも、アップルがより5Gに明るくなっておくことは、製品開発にとっては必要なことだと考えることができます。

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