「CSGO」や「Dota 2」なら平均60fps超えも
ここからは、実ゲーム系のベンチマークで第2世代Ryzen APUの実力を見ていこう。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、解像度フルHD(1920×1080ドット)、フルスクリーンの設定で、「最高品質」および「標準品質:デスクトップ」の2種類のテストを実施した。どちらのCPUもスコアーに大きな差はなく、最高品質では「やや快適」判定、標準品質(デスクトップPC)では「とても快適」判定を受けている。この手のMMO系タイトルであれば、画質を標準程度に設定することで、APUでもそれなりにプレイできてしまうわけだ。
人気のFPSタイトル「Apex Legends」では、解像度1920×1080ドット、フルスクリーン設定で、すべての画質設定をもっとも軽くなるように調整。トレーニングモードの一定ルートを移動する際のフレームレートを「Fraps」で計測している。どちらのAPUも平均60fpsには届かなかったが、最低fpsが30を切っていないため、とりあえずプレイできないことはない……という印象。PlayStation 4などのコンシューマーゲーム機と同じ程度のフレームレートは出るため、これでもいいという人もいるだろう(画質的にはややチープになるが)。
より軽量なタイトルの結果も見てみたいので、「Counter-Strike: Global Offensive」でもフレームレートを計測してみた。画質は最高設定、解像度1920×1080ドット、フルスクリーン設定で、「Dust II」の一定ルートを移動した際のフレームレートを「Fraps」で計測している。結果、Ryzen 5 3400Gは平均60fpsを超えており、それなりに快適なプレイが楽しめる。ただし、スモークを焚くような負荷がかかる場面ではフレームレートがぐっと落ちてしまうため、実際にこのような環境でプレイするのであればより画質設定を下げるほうが無難だろう。「とりあえずPCでゲームを遊んでみたい」というレベルであれば、APUを使った低価格自作は予算がないエントリーPCゲーマーの入門用として悪くはない。
最後に、軽量さがクローズアップされることも多いMOBA系のタイトル「Dota 2」でもフレームレートを計測してみよう。画質は「Best Looking(最高)」プリセットを適用し、解像度1920×1080ドット、フルスクリーン設定で、Botマッチの開幕から1分間のフレームレートを「Fraps」で計測した。こちらもRyzen 5 3400Gが平均60fpsを超えており、Ryzen 3 3200Gも平均51fps、最低35fpsと悪くない結果が出ている。最近流行りのオートチェスに限って言えば、60fpsもあれば余裕でプレイできてしまうため、APUでプレイするタイトルとしてはうってつけだ。
GPU内蔵CPUの鉄板モデルに? Precision Boost Overdriveにも期待がかかる
Ryzen 5 3400Gの実売価格は2万円前後、Ryzen 3 3200Gの実売価格は1万3000円前後。どちらもGPU内蔵CPUとして安価でありながら、それなりにゲームもできるポテンシャルを備えている。第1世代APUの価格はすでにだいぶこなれており、今どちらを買うべきかと問われれば悩ましいところはあるが、低価格帯の層が厚くなるのはユーザーにとっても素直に喜ばしいことだ。Ryzen 5 3400Gに関して言えば、Precision Boost Overdriveで性能を伸ばす余地が残っているため、そのあたりは今後追加の検証が必要になるだろう。
いずれにせよ、「内蔵GPUでゲームをしたい」「安価でゲームもできるPCが欲しい」といった需要は一定数あり、その中でAPUは非常に有力なチョイスとなりえる。冒頭でも述べた通り、国内では小型デスクトップPCもちょっとしたブームになっていることから、この世代のAPUも、エントリーからコアユーザーまで幅広く人気を集めることは間違いないだろう。

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