Precision Boost Overdriveに
Automatic Overclock機能が追加
オーバークロック周りで言えば、Ryzen Masterも当然第3世代Ryzenに対応したものになるが、新機能としてPrecision Boost Overdrive(PBO)にAutomatic Overclock機能が追加された。
これまでよりもさらに1binか2bin、動作周波数を引き上げられるというものだが、当然その際には大電流が流れるので、マザーボード側のVRMもそれに対応したものでないと動作が不安定になるだろう。したがって、旧来のX470でこれが可能か? と言われると、原理的には不可能ではないが難しい気もする。
ちなみに今回、Ryzen 7およびRyzen 9にはすべてCPUクーラーにWraith Prismが付属するという話になっている。通常の利用であればこれで十分であるが、ただオーバークロックの際にはやはりもう少し容量の大きなものが必要になるかもしれない。
Zen 3を開発中なだけでなく
すでにZen 4もデザイン中
CPUでは最後に遠い未来の話を。現在のZen 2に続いて7nm+を利用するZen 3を開発しているという話が出てきたが、これに続くZen 4もデザイン中であることが明らかにされた。
Zen 3は、まだテープアウトまでには時間があるだろうが、論理設計はとうに終わっている時期であり、その意味ではデザインチームが次のZen 4にかかり始めるのは理にかなっているとは言える。

この連載の記事
-
第811回
PC
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ -
第810回
PC
2nmプロセスのN2がTSMCで今年量産開始 IEDM 2024レポート -
第809回
PC
銅配線をルテニウム配線に変えると抵抗を25%削減できる IEDM 2024レポート -
第808回
PC
酸化ハフニウム(HfO2)でフィンをカバーすると性能が改善、TMD半導体の実現に近づく IEDM 2024レポート -
第807回
PC
Core Ultra 200H/U/Sをあえて組み込み向けに投入するのはあの強敵に対抗するため インテル CPUロードマップ -
第806回
PC
トランジスタ最先端! RibbonFETに最適なゲート長とフィン厚が判明 IEDM 2024レポート -
第805回
PC
1万5000以上のチップレットを数分で構築する新技法SLTは従来比で100倍以上早い! IEDM 2024レポート -
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ