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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第514回

デスクトップ向けIce Lakeの出荷は絶望的 インテル CPUロードマップ

2019年06月10日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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10nmプロセスの動作周波数は
14nm++より低い

 さて、このあたりまでは語られたことである。ではいよいよ語られなかったことに入りたい。そもそも動作周波数は? という話である。実は、Ice Lakeでは相当動作周波数が落ちている。

 そもそも14nm++を使うWhiskey Lake世代の場合、ハイエンドのCore i7-8665UではTDP 15W枠で最大4.8GHzまで動作周波数が上がる。これに対し、記事冒頭の表でもわかるように、Ice Lake-Uでは4.1GHzどまりである。もうこの時点でなにかおかしい。

 さて、インテルは動作周波数が直接わかるような結果をビタイチ出してくれないのだが、幸いにもIPCの改善率とシングルスレッド性能を出してくれている。

IPCの改善率。これはSkylakeアーキテクチャーと比較しての結果。ほとんどのケースで1割以上のIPCの改善が実現できており、平均値で言うと18%、というのがインテルの主張だ

シングルスレッド性能。これはSPECint_rate_base2006での結果。基準がBroadwell、というあたりがまたなんとも……

 このシングルスレッド性能の画像でWhiskey Lakeとの性能比を求めると以下のようになり、Whiskey Lake→Ice Lakeではわずかに3.5%の性能改善に留まっている。

Broadwellとの性能比
Broadwell vs. Whiskey Lake 141.9%の性能改善
Broadwell vs. Ice Lake 147.0%の性能改善

 IPCが18%改善したにも関わらず3.5%しか性能が上がらない、というのは要するに動作周波数が12%ほど下がっているという計算になる。Core i7-8665Uの場合はBase 1.9GHzなので、これが1.7GHzほどに落ちている計算になるだろうか?

 実際はベースクロックはもう少し高めで、ターボブーストがかかってもそれほど動作周波数が上がらない、という感じの実装になっているのではないかと思うが、とにかく動作周波数が14nm++におよばないのが現状の10nmプロセス、というのは間違いない。

 この状況は、2014年の秋に投入された14nmの初めての製品であるBroadwellに近いものがある。やはり当初はY SKUのみの投入で、動作周波数も低めであった。

 これが改善されるのは2015年に投入されたSkylakeであるが、プロセスを高速化するのではなく、遅いプロセスでも高速動作するようにマイクロアーキテクチャー側に手を入れて解決したわけだ。おそらく現行の10nmも似たような感じになっている。

 幸いにこれに10nm+や10nm++が続くという発表はすでになされているので、これらのプロセスが出てくる頃には問題は多少緩和する可能性が高い。

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