連載244回で、Haswell Refresh発売直前の情報をお届けしたが、その後もインテル製CPUのロードマップに色々とアップデートがあったので、まとめて説明したい。
Devil's CanyonからHaswell-Eまで
既報の通り、6月にHaswell-Refreshの最上位製品として「Core i7-4790K」と「Core i5-4690K」が発表になった。特に「Core i7-4790K」は大きく動作周波数を引き上げて、定格4GHz/最大4.4GHzとついに4GHzの壁を定格で越えた最初の製品となった。思えばPrescottで4GHz到達を断念したのが2004年末のことだから、10年かけてやっと4GHzに到達したことになる。
もっとも内部構造もプロセスそのものも既存のHaswellと変わらないから、これだけ動作周波数を引き上げれば当然発熱は増えるわけで、TIM(Thermal Interface Material:熱伝導物質)をより高効率なものにして温度そのものを下げやすい工夫こそなされているものの、発熱の絶対量そのものは減らないため、このあたりは損得としては微妙なところではある。絶対性能という意味では間違いなく最高なのだが、性能/消費電力比ではややバランスを崩している感は否めない。
これに続き、7月にはPentium Dual Coreに20th Anniversary Editionとして倍率ロックを外した「Pentium G3258」が投入された。絶対性能はともかく価格が8000円台と安く、デュアルコアということで相対的に発熱も少ないため、大容量クーラーと組み合わせればオーバークロック時の発熱をカバーしやすいこともあり、遊ぶという意味では「Core i7-4790K」などよりもずっと遊びがいのある製品に仕上がった感がある。
この前後にあわせて、「Core i3-4160/4370」や「Pentium G3250/G3460」といった製品も投入され、メインストリームの下の方のラインナップがだいぶ充実した感がある。いずれも製品世代としてはHaswell-Refreshに属しており、これでCore i7~PentiumまでのラインはほぼHaswell-Refreshで置き換えが完了した感じになる。
そしてトップエンド向けには8月末にHaswell-Eベースの製品が投入された。こちらは8コアのHaswell-Eを利用した6/8コア製品。プラットフォームにはLGA2011v3が採用され、DDR4に対応した初のコンシューマー向け製品となった。
DDR4はまだ流通量が少ないこともあり、今は高値安定状態である。これを最低でも4枚(動作そのものは2枚から可能だが、さすがに意味がなさ過ぎる)用意しないと使えないあたりに敷居の高さがうかがえるが、なにしろワークステーション向けのため価格を度外視できるユーザーが買うわけで、これはこれで問題ないだろう。
→次のページヘ続く (今後のロードマップ、Broadwell-Yがまもなく登場)
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