RTX2080搭載ノートPCの実力をチェックしてみました~~

MSI GE75 Raider 実機レビュー = ゲームだけではもったいない激速ゲーミングノートPCだっ!

文●・写真 = ジャイアン鈴木

提供: エムエスアイコンピュータージャパン

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 エムエスアイコンピュータージャパン(以下MSI)は、17.3型ハイエンドゲーミングノートPC「GE75 Raider GE75-8SG-011JP」(以下GE75 Raider)を1月29日に発表、2月8日より販売を開始した。

 本製品はハイパフォーマンスノートPC向けプロセッサー「Core i7-8750H」に、リアルタイムレイトレーシングとDLSS(Deep Learning Super Sampling)という最新テクノロジーを実装した外部グラフィックス「NVIDIA GeForce RTX 2080 8GB GDDR6」が組み合わされており、ハイパーリッチ&スーパーヘビーな3Dゲームも軽々動作させる処理性能を備えている。

 ドラゴンのエンブレムがスーパーカーのように押しが強い本製品の実機を借用したので、嘗め回すように細部と使い勝手、そしてパフォーマンスをチェックしていこう!

「GE75 Raider GE75-8SG-011JP」

GPUとSSD、バッテリー容量の異なる
2モデルを用意

 今回レビューするGE75 Raider GE75-8SG-011JPは、CPUは「インテル Core i7-8750H」(6コア12スレッド、2.2~4.1GHz)、メモリは16GB(8GB×2)DDR4 SDRAM、ストレージは512GBのSSD(M.2 NVMe)と1TBのHDD(SATA)を搭載。そして外部グラフィックスに「NVIDIA GeForce RTX 2080 8GB GDDR6」を採用している。デスクトップPC用CPUを搭載しているゲーミングノートPCも存在しているが、本製品はあくまでもノートPCというカテゴリーに軸足を置いた製品なのである。

 ディスプレーは17.3インチフルHD(1920×1080ドット)液晶を採用。ゲーミングノートPCというと、性能だけでなくボディーも超弩級な製品が多いが、狭額縁デザインを採用することで397×268.5×27.5mmと比較的にコンパクトに仕上がっている。

 ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzで、表面加工はノングレア仕様。高速描画されるゲームでも遅延が少なく、またいろんな角度から照明が向けられる過酷な環境でも映り込みを抑えられる。

 GE Raiderには下位モデル「GE75-8SF-012JP」が用意されており、こちらはグラフィックスが「NVIDIA GeForce RTX 2070 8GB GDDR6」、SSDが256GB(M.2 NVMe)、バッテリー容量が4730mAhとなっている。そのほかのスペックは共通だ。

 市場想定価格は、GE75-8SG-011JPが41万5000円前後、GE75-8SF-012JPが32万9000円前後。差額の8万6000円を最新ゲーム購入に注ぎ込むというのも、ゲーマーとしては正しい選択だ。

同梱物一覧。本体以外に、クリーニングクロス、ACアダプター、電源ケーブル、説明書が入っている

17.3インチ液晶を
15.6インチ級ボディーに搭載
インターフェースも充実

 GE75 Raiderは「ハイスペックな17.3インチゲーミングノートPCをできるだけコンパクトに作ってほしい」というゲーマーの要望に応えて開発した製品だ。

 天面とキーボード面は金属素材、ディスプレー面のベゼルと底面に強化プラスチックが使われたボディーは、5.7mmの狭額縁ディスプレーを採用することで、従来モデルより15%小型化されている。

 製品公式サイトに「15.6インチクラスの本体に17.3インチ液晶パネル搭載」と謳われているとおり、ゲーミングノートPCらしからぬスマートなボディーに仕上がっている。

 インターフェースは非常に充実している。USB 3.1 Gen2 Type-C×1(Thunderbolt 3/USB Power Delivery/Alt Mode非対応)、USB 3.1 Gen2 Type-A×1、USB 3.1 Gen1 Type-A×2、HDMI×1、Mini DisplayPort×1、SDメモリーカードスロット(SDHC/SDXC/UHS-I対応×1、ヘッドフォン出力(Hi-Res対応)×1、マイク入力×1が用意されている。

 PC用VRデバイスを装着する場合でも、ディスプレーを2台接続してトリプルディスプレイ環境を構築する場合でも、ハブなどを用意する必要はない。

本体天面(下がヒンジ側)。中央にはドラゴンをかたどったMSIのロゴマークが飾られている

本体底面(下がヒンジ側)。上部の4つの穴は外側がウーファースピーカー、内側がステレオスピーカー、下部のふたつは吸気口。中央付近にあるのはストレージなどのために用意された放熱口だ

5.7mmの狭額縁デザインを採用することで、15.6インチクラスのボディーに17.3インチ液晶ディスプレーを収めている

日本語キーボードを採用。ファンクションキーには、パフォーマンスモードを変更したり、ウェブカメラや機内モードをオンオフするクイック起動キーが割り当てられている

本体前面。中央にはワイヤレスLAN、バッテリー、ストレージの状態を示すステータスLEDが埋め込まれている。ディスプレーを閉じている状態でも主要ステータスを確認可能だ

本体背面。左右に排気口が設けられている

本体右側面。左からカードリーダー、USB 3.1 Gen 1 Type-A×2、排気口、電源端子が配置されている

本体左側面。左からケンジントンロック、排気口、有線LAN(RJ-45)、HDMI、Mini DisplayPort、USB 3.1 Gen 2 Type-A、USB 3.1 Gen 2 Type-C、ヘッドフォン出力、マイク入力端子が用意されている

付属のACアダプター「ADP-280BB B」。仕様は入力100-240V~3.2A、出力20V/14A、容量280W

本体の実測重量は約2683g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測1007g

ゲーミングノートPCならではの
ド派手な装備と独自ツールに注目!

 GE75 Raiderにはゲーマーをターゲットにした派手な装備や独自ツールが搭載されている。キーボードには、キーごとにRGBバックライトの色をコントロールできる「SteelSeriesゲーミングキーボード」を採用。プリインストールされているユーティリティー「SteelEngine 3」で発光パターンを自由に設定可能だ。ビジュアルエフェクトとしても楽しめるが、ゲームに合わせてキーバインドを色分けすることにも活用できる。

 また、パフォーマンスをきめ細かく設定したり、メモリー解放やディスククリーンアップを実行して動作を安定させるユーティリティー「Dragon Center」を用意。本ユーティリティーには、ステータスを一覧表示する「システムモニター」、動作速度やファン速度を調整する「システムチューナー」、各ゲームに最適な設定にワンタッチで切り替える「Gaming Mode」、ゲームとVOIP(音声通話)のボリュームを調節する「Voice Wizard」、スマホとの連携機能「モバイルセンター」、バックアップツールやユーザーマニュアルを収めた「ツール&ヘルプ」などなど機能が盛りだくさん。どれもゲーマー必携のツールだ。

SteelSeriesゲーミングキーボードにはさまざまなビジュアルエフェクトが用意されている。これは色が左から右に流れる「Horizont al Wave」

さまざまな発光パターンがプリセットして用意されているが、ユーザーが任意の配色を設定可能だ

USB Type-A端子はLEDで点灯可能。色は選べないが、輝度と周期を設定できる

電源ボタンの下にあるのは「クイック起動ボタン」。任意のアプリやツールを割り当てられる。デフォルトでは、キーボードバックライトの切り替えと、冷却ファンの最大化が登録されている

ゲーム向け総合ユーティリティー「Dragon Center」。「Fn+F4」キーなどのホットキーに割り当てておけば、ゲームプレイ中でも素早く起動可能だ

Core i7-8750Hと
GeForce RTX 2080が生み出す
圧巻のパフォーマンス

 さて最後にパフォーマンスを検証するが、お断りしておくことがある。GE75 Raiderは動作モードをユーティリティーの「Dragon Center」で切り替えられるのだが、ドライバー等との関係で、最もハイパフォーマンスな「Turbo Mode」が今回は間に合わなかった。現時点の動作モードのなかで最も高速な「Sport Mode」で計測している(Turbo Modeは後日アップデートで提供される予定だ)。

 さて早速結果をお伝えするが、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは1025 cb、OpenGLスコアは104.66 fps、グラフィックベンチマーク「3DMark」のTime Spyは8778、Fire Strikeは19388となった。

 直近で筆者がベンチマークを実施したPCと比較すると、多くの薄型ノートPCにも採用されている「Core i7-8565U」を搭載するPCのCINEBENCH R15.0のCPUスコアが647 cb、3DMarkのTime Spyが466だったので、GE75 Raider GE75-8SG-011JPのCPU性能は1.58倍、グラフィック性能は18.84倍ということになる。

 デスクトップPCでも荷が重いと言われている「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」も試してみたが、「標準品質 1920×1080 フルスクリーン」という条件で「11850(とても快適)」、「高品質 1920×1080 フルスクリーン」という条件で「9324(とても快適)」というスコアを叩き出した。リッチなハイエンド3Dゲームも快適に動作させられるパフォーマンスを備えていると言える。

 ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」でシステムドライブのSSDを計測してみたが、Q32T1シーケンシャルリードで1603.436 MB/s、Q32T1シーケンシャルライトで1035.696 MB/sに留まった。昨今のノートPCの上位モデルではQ32T1シーケンシャルリードで3000MB/sを超えているのだが、ゲーム中に体感できるほどの差ではない。

「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは1025 cb、OpenGLスコアは104.66 fps

「3DMark」のTime Spyは8778。なお今回3DMarkの最新バージョンでエラーが出たので、「Futuremark_SystemInfo_5_6_660.msi」をインストールして計測を実施している

「3DMark」のFire Strikeは19388

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」は「標準品質 1920×1080 フルスクリーン」で「11850(とても快適)」

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」は「高品質 1920×1080 フルスクリーン」で「9324(とても快適)」

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」は、Q32T1シーケンシャルリードは1603.436 MB/s、Q32T1シーケンシャルライトは1035.696 MB/s

自宅でも会社でも
パワフルな「メイン・ノートPC」になる
超パワフル・マシンなのだっ!

 改めて繰り返すまでもなく、GE75 RaiderはゲーミングノートPCだ。しかしハイエンドゲームに要求されるCPU性能、グラフィックス性能は、写真の現像や動画の編集などのクリエイティブ系アプリでも威力を発揮する。

 ゲームだけでなく、多彩な用途に活用できるいわば「メインノートPC」を探している方に、GE75 Raiderは非常に魅力的な選択なのだ。

黒字に赤いロゴが印刷された精悍なイメージのパッケージ

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