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今石 洋之監督と中島 かずきさんにインタビュー

受け継がれる“庵野魂”名コンビが贈るアニメ映画『プロメア』の面白さの秘密

2019年06月02日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●八尋/ASCII

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劇団☆新感線の芝居を書くときのような気持ち
キャラクターの性格はストレートに

中島 かずき氏

――主役と女性キャラクターのからみも少なかったですね。

中島 かずき氏(以下、中島):恋愛物をやるつもりはなかったので、アイナとの関係性もちゃんとフレンドシップに、仲間としての関係にするということだったので、むしろそこはガロ、リオ、クレイの3人の関係がメインでというのを始めから設計してました。

――今回の主役はレスキューチーム隊員のガロと、炎を操るバーニッシュのリオですが、それぞれのキャラクターについてお聞かせください。

中島:『プロメア』では、バーニッシュとレスキューチームが対立するところに主軸が置かれます。その中で、炎を使うバーニッシュのほうがクールで、火を消すレスキューチームのほうが熱いというのは最初から決めていました。自分としては劇団☆新感線の芝居を書くときのような気持ちで、かつアニメーションなので、ストレートにキャラクターの性格もわかるように気をつけました。

炎を消すレスキューチームのほうが熱い

炎を使うバーニッシュはクール

――本作では松山さん、早乙女さん、堺さんと、俳優の方々が主役をつとめられましたが、狙いなどはあったのでしょうか?

中島:今回は映画ということで挑戦したいこともあり、劇団☆新感線のほうでご一緒してる役者さんたちの声だったら、また1つ違う面白いものが作れるのではないかと思いまして。それで僕のほうからお願いしたのですが、第一希望がとおりました。

1カットに詰め込みまくったアクションシーン
3DCGだからできる情報量の多さ

――本作を観るとアクションシーンが圧倒される動きでしたね。

今石:普通、1つのカットで1つか2つのことしかやらないんですけど、3つも4つも5つも1つのカットでやっています。たとえば攻撃されて振り向くとき、振り向いた動きの中でそれを打ち返したり、その間にさらに別のところにカメラが移動するということをしています。とにかくカットが次から次へどんどんつながっていくというのを意識して、どんどん1カットの中に詰め込んでしまうんですよね。

圧倒されるアクションシーンに注目

――ものすごくカメラの数があって、パラで回しているのをつなぐイメージですよね。

今石:そうですね。今回特に3DCGをふんだんに使うということを最初から決めていたので、普通の2Dの作画だとできないところにカメラが入っていけました。2Dだとそれを全部手で描かないといけないため、かなりエモーショナルになってしまうというか、一生懸命そうしているという絵になってしまいます。固いものを回り込んで大きさを見せたいとか、その形の複雑さを見せたいなことは気軽にはできないんです。

 しかし、そういうものも3DCGを使うと遠慮なくできます。そのように情報量を上げた上でアクション作っていくことができたので、今回はそこを遠慮なくできて、それがいままでとはちょっと違うところでおもしろかったです。

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