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今石 洋之監督と中島 かずきさんにインタビュー

受け継がれる“庵野魂”名コンビが贈るアニメ映画『プロメア』の面白さの秘密

2019年06月02日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●八尋/ASCII

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『プロメア』

 突然変異で誕生した、炎を操る人種<バーニッシュ>と、彼らが引き起こす火災に対応するために組織された高機動救命消防隊<バーニングレスキュー>の戦いを描いた、劇場版オリジナル新作アニメ『プロメア』。本作はTVアニメ『天元突破グレンラガン』、『キルラキル』の今石 洋之監督と、脚本家の中島 かずき氏がタッグを組んだ熱い物語だ。

 主人公となる<バーニングレスキュー>の新人隊員ガロを松山 ケンイチさん、<バーニッシュ>のリーダーであるリオを早乙女 太一さん、<バーニングレスキュー>を結成した司政官クレイを堺 雅人さんが声を担当している。『リトルウィッチアカデミア』や『SSSS.GRIDMAN』といったヒット作を送り出しているTRIGGERが制作。

 5月24日に公開された本作だが、その公開直前に今石監督と中島氏にインタビューをする機会を得た。ガイナックス出身でもある今石監督と、劇団☆新感線の座付作家である中島さんが本作に継承させた魂とは?

初のオリジナル劇場作品は、尺との戦いだった

今石 洋之監督(右)と中島 かずき氏(左)

――いよいよ公開間近となりましたが、いまのお気持ちはいかがでしょう?

今石 洋之監督(以下、今石):『プロメア』は5年くらいかかって作ったのですが、最後の1ヵ月くらいがすごくドタバタして、まだ終わった実感がない感じです。試写などのイベントを重ねていくと実感が出てくると思いますが。

今石 洋之監督

――初のオリジナル劇場作品となりますが、劇場版ということで気をつけられたことはありますか?

今石:やはり2時間という尺ですね。その尺の中できれいに収めることについては、かなり細かくチェックしながら作りました。脚本段階でもだいぶ考え、ラフな絵コンテを作った後にすべての撮影と仮のアフレコをして、そのうえで「これがいる」「ここをもっと入れたほうがいい」というやり取りをしたうえで、また絵コンテ作り直して、そこからやっと本番の作業に入りました。

――劇場版ならではですね。

今石:そうですね。テレビアニメだとそこまで時間や手間をかけられませんが、今回は映画ということで細かくやりました。

――尺が限られてくると削らないといけない要素も出てきますよね。

今石:映画としてやはり主役の2人とクレイ。この柱になる3人の描写にかなり時間を割くという判断があったので、レスキューチームの仲間などの描写が少なくなってしまいます。テレビシリーズだったらもっとサブキャラで遊べる時間があり、それが作品のおいしさになったりするんですけど、その辺をかなり最小限に収めるのに苦労しましたね。

主役の2人とクレイを主軸にストーリーが構築された

――チームメンバーも個性的なキャラクターだったので少しもったいない気も……

今石:チームメンバー1人1人にそれなりに設定や妄想したものがありましたが、それを活かす時間はやはりなかったですね。ただ、画面の中に見え隠れする裏設定というか、そういうところに思いが怨念のようにすりこまれている感じです。

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