ヘルスケア×ITで長寿国日本の令和時代を切り拓け!
「InsTechオープンイノベーションビジネスコンテスト」の速報をお届け
保険とテクノロジーが融合すると何が起こる?
平均寿命が80歳を超え、世界でも有数の長寿国となっている日本。しかし、平均寿命が伸びている分、生活習慣病の割合も増加しており、単なる長寿ではなく、健康な生活を長く送れる、いわゆる健康寿命を延ばすことが重要な課題となってくる。
そこで今回、第一生命とかんぽ生命、そしてNTTデータが主体となり、保険とテクノロジーを融合させ、健康増進と連動する生命保険やサービスといった、新しいビジネスを作る「InsTechオープンイノベーションビジネスコンテスト」が開催された。
本コンテストは、2018年12月から2019年2月にかけてのエントリーから選考された9社がファイナリストとして本選に進み、企画内容をプレゼン、最優秀賞を競い合った。本選に進んだ9社は下記の通り。
ノバルス株式会社:高齢者のみまもりビジネスを行なう乾電池型IoT。
エーテンラボ株式会社:ヘルスケアを継続させるスマートフォンアプリ。
株式会社Sportip:身体動作を映像からチェックし、個人に最適化された運動指導を行なうソリューション。
株式会社フーモア:ストーリー内で保険などを啓蒙するスマートフォン向けのゲームアプリ。
株式会社東急スポーツオアシス:隙間時間でできるエクササイズの提供。
ジェノプランジャパン株式会社:遺伝子情報を基にした、保険商品購入促進。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社:スマートフォンで心拍数や表情を取得し幸福度を算出。
株式会社おいしい健康:コンビニなどの身近な店舗で調達できる食材を使った、健康に良い食事の提案。
フロンティアマーケット株式会社:音声によって脳を活性化させ、認知検査を行なう。
未来へのアイデアを4社が披露
また、本選に進んだ9社のほかに、これからの可能性を感じさせる4社がライトニングピッチで新しいアイデアや起業の種を披露した。ライトニングピッチに参加した4社は下記の通り。
テックレボ合同会社:服薬をリマインドする時計。
株式会社Buzzreach:治験情報を紹介するプラットフォーム。
Coaido株式会社:救急スキルを持った近所の人に連絡できるアプリ。
株式会社O:(オー):スマートフォンによって睡眠時間と質を記録する。
ライトニングピッチでは、来場者の投票によってオーディエンス賞が選ばれた。その結果、投票が同数であったためCoaido社とO:社の2社が選出された。Coaido社は音楽を組み合わせた心肺蘇生講習などを行ない、楽しく覚えられる試みに取り組むとコメント。O:社は金曜に飲んで、翌日遅く起きるのがいちばん睡眠としてはよくないと来場者へ注意喚起した。
最優秀賞に選ばれたのはSportip社
ライトニングピッチ終了後、いよいよ本選の審査結果が発表された。審査では、完成された技術や、これから将来に向かってわくわくする技術があり、多くの意見が出て票が割れたが、とても質が高いコンテストになったと総評された。
第一生命保険賞には、ミレニアム世代への提案という課題をクリアでき、顧客自身に健康について気付いてもらえ、ストーリー性のあるものにチャレンジしたいという意欲にかられたというフーモア社が受賞。
かんぽ生命賞には、かんぽ生命が著作権を持っているラジオ体操を活用して、ちょっとした隙間時間を活用して健康増進を進めたいということで、東急スポーツオアシス社が受賞。
技術審査委員賞は、五感の中で音に着目し、30年という実績と、そこで蓄積してきた技術への期待を込めてフロンティアマーケット社が受賞。
そして最優秀賞には、魅力的でチャーミングな技術に伸びしろがありそうで、個人の姿勢だけでなく、スポーツ界全体のアシストにつながる技術の進化や応用に期待を込めたという受賞理由でSportip社が受賞した。
最優秀賞を受賞したSportip社には副賞として第一生命グループ・かんぽ生命との協業に向けたビジネスディスカッションの場の提供や、交流会などへの招待が贈られた。
最後に審査委員から、「各賞を受賞した企業はもちろん、受賞を逃した企業も含め、ここからビジネスが生まれる、そういった会として、オープンイノベーションビジネス創発に取り組んでほしい」というコメントでコンテストは締めくくられた。