新入社員として4月から働き始めた人も、そろそろ新人研修も終わったころだろう。PCを与えられ、仕事がいよいよ始まる。最初のタスクは基本的な内容からスタートすると思われるが、ここでITの基本も押さえておきたい。自分の常識的な判断やよかれと思ってやったことが、NGということがあるのだ。今回は、実際に管理職の人たちが嘆いている声を元に、新入社員が押さえておくべきITの基本のキホンを紹介しよう。
また、ベテラン社員のみなさんにも初心に返る意味で参考にしていただきたい。“慣れ”は事故を引き起こしやすいもの……。
勝手な判断は致命的な情報漏洩を起こしかねないのでNG
世の流れは働き方改革。スマホは小さい頃から使っており、慣れないパソコンよりもよほど活用できるかも知れない。社会人になれば、言われたことだけをするのではなく、頭を使って能動的に動かなければいけない。しかし、そこで仕事に自分のスマホを活用しよう、と飛躍するのは一旦思いとどまってほしい。
スマホで何かを調べるくらいなら問題ないが、便利なウェブサービスを仕事で使い始めるのはリスクを伴うためだ。たとえば、社内で使っているストレージ機能が貧弱なので、無料のファイル転送サービスを利用するとか、外部との連絡にLINEを使うといったケース。どちらも、社内のシステム部が許可していない限り、仕事で使うのは避けた方がいい。なお、このような“企業側が把握していない状況で社員がITを使うこと”を「シャドーIT」と呼ぶ。
万一、利用したコンシューマ向けサービスが不正アクセスを受けたり、情報漏洩を起こした場合でも勝手に使っていたならどうしようもない。LINEで誤爆した場合などは完全に自業自得だ。
問題は、先輩も往々にしてシャドーITを利用していることがある。営業部とシステム部の仲が悪く、システム部にいちいち連絡して小言を言われるくらいなら、と勝手にビジネスで使うサービスを活用してしまうケースがあるのだ。筆者もFacebookメッセンジャーで仕事の連絡が来ることがあるが、企業のシステム部は把握しているのだろうか? と心配になることもある。そんな環境の場合でも、少なくとも自分の上長には使っていいかどうかの確認は取ろう。自分が悪くなくても、シャドーITで使っていたサービスのミスで情報が漏洩したら、当然責任問題になってしまうためだ。
ビジネスで扱うデータにも注意したい。作業は許可されている端末でのみ利用すること。よくあるのが、個人のPCやUSBメモリーにコピーして、自宅や喫茶店で作業するケース。企業が許可している問題のないデータであればいいのだが、部外秘の情報という可能性もある。PCを紛失したり盗まれたり、喫茶店で肩越しに情報を見られてしまったりすると大ごとになる。
上司が作業が終わってないのに残業するなと無茶を言ってくるのも世の常だが、よかれと思い自宅で作業を続行するというのが逆効果になるケースがあるのだ。データを持ち出す際は、必ず確認すること。
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