カシオ計算機株式会社
撮った画像を管理するパソコン用ソフトも提供を開始
カシオ計算機は、皮膚にレンズを直接当てて撮影する接写と、通常の撮影が1台で可能なダーモカメラ『DZ-D100』(共同研究:千葉大学)を5月27日に当社のウェブサイトにて発売します。併せて、撮った画像を管理できるパソコン用ソフト『D'z IMAGE Viewer(ディーズイメージビューワー)』(共同研究:信州大学)も同日より提供を開始します。
従来、皮膚科医が皮膚の病変部を撮影する際には、専用レンズを外付けした市販のカメラで患部を接写することが一般的でした。そのため、カメラが大きく・重くなっていたほか、患部周辺を含めた全体の撮影も併せて行う場合はレンズを交換するか、もしくは2台を使い分ける必要がありました。
今回ご案内します『DZ-D100』は、当社のカメラ技術と皮膚科医の知見を活かし、小型・軽量でありながらも、病変の色や構造を確認するための接写と、病変の位置を確認するための患部周辺を含めた全体の撮影を1台で可能とした皮膚科医向けのカメラです。
皮膚内部の色や構造を確認するのに必要な偏光撮影、皮膚の表面の病変部を記録する非偏光撮影、隠れたシミやぼやけたほくろなどの辺縁部がくっきり写るUV※の撮影をワンシャッターで実現。それぞれの画像が同一画角で撮影できるので比較検証するときに役立ちます。
※ 波長が405nmで安全な光を使用しています。
また、『DZ-D100』とパソコン用の画像管理ソフト『D'z IMAGE Viewer』を無線LANにより連携させることで、撮影した画像をパソコンに自動転送できます。IDを入力して撮影した画像は、自動的にIDごとに振り分けられるので、面倒なフォルダ分けが不要です。さらに、接写した画像上にスケール表示をすることが可能で、画面上で病変の大きさを確認できるほか、メジャー機能を用いて、例えば病変の端から端などの2点間の距離を測ることもできます。
なお、製造販売業者は山形カシオ株式会社です。
DZ-D100 価格:199,000円+税
【皮膚科分野による当社のこれまでの取り組み】
当社は、デジタルカメラ開発で培った画像変換技術を基に、2015年に病変の構造や血管の分布状況を顕在化させる画像変換機能を用いて効率的にダーモスコピー検査(皮膚の腫瘍やホクロなどの色素病変を、ダーモスコープと呼ばれる特殊な拡大鏡で観察する検査)を学べる、無料のダーモスコピー学習用サービス「D’z IMAGE」(テキストリンク:https://dz-image.casio.jp/)を開始しました。以後、医工連携を行いながらコンテンツを拡充しています。
【ダーモカメラ/画像管理ソフトの主な特長】
現場の医師のニーズに応える撮影機能・性能
■1台で接写と通常の撮影が可能
皮膚科医は市販のカメラに専用レンズを外付けしたもので病変を接写することが一般的でした。そのため、通常の撮影する場合はレンズを交換するか、もしくは2台を使い分けて撮影する必要がありました。『DZ-D100』は、モードを切り替えるだけで、接写と通常の撮影を可能にしており、診察で必要な画像を簡単に撮影することができます。
■ワンシャッターで偏光/非偏光/UVの撮影を実現
光の反射を抑えることで、皮膚の薄皮のすぐ下にある皮膚内部の色や構造を撮影するのに必要な偏光撮影、皮膚の表面の病変部を撮影するのに便利な非偏光撮影、偏光では浮き出てこない隠れたシミやぼやけたほくろなどの辺縁部がくっきり写るUV撮影が、ワンシャッターで撮影できます。手間がかからないだけでなく、それぞれの画像が同一画角で撮影できるので比較するときに役立ちます。
■片手で扱うことも想定した小型・軽量サイズ
従来のレンズを外付けするタイプだと総重量が1kgを超えることも多い中、約400gを実現。重さで手ぶれを起こすことなく撮影できます。また、持ちやすさを考慮し、両手だけでなく、片手で持つことも想定した形状を採用しました。
■病変部から患部全体までを表示する高精細な画質
撮像素子からレンズまで一貫設計することで、歪曲収差(ゆがみ)を抑え、病変の形状等を正確に撮影できます。また、接写撮影時に先端レンズ内から照射されるLEDライトは、投光のムラが少なく、画面の中心から端に至るまで撮影領域全体にわたり均一な画質を確保しました。一方、通常撮影時にはLEDリングライトにすることで、ストロボフラッシュとは異なり、点灯状態でカメラを構えられるので、液晶画面で見たままの画像が残せるよう配慮しています。
撮影した画像を管理する『D'z IMAGE Viewer』との連携
■『D'z IMAGE Viewer』への自動転送機能
『DZ-D100』と『D'z IMAGE Viewer』を無線LANにより連携させることで、撮影した画像をパソコンに自動転送します。また、IDを入力して撮影した画像は、画像管理ソフトで自動的にIDごとに振り分けられるので、面倒なフォルダ分けが不要です。
■病変部の大きさがわかるスケール表示機能
接写撮影された画像上にスケールを表示する機能を搭載しているので、病変の大きさを簡単に確認できます。また、メジャー機能を用いると、2点間の距離を測ることもでき、必要な部分の大きさを計測することが可能となりました。