Windowsの令和対応は、ギリギリ連休前に配布が開始されたが、ただしそれはWindows 7~Windows 10 Ver.1803(RS4)までだった。Windows 10の最新版であるVer.1809(RS5)については、連休中に持ち越され、結局始まったのは令和になってからだった。
さすがに1ヵ月前の発表でWindows 7から10まで、さらにはWindows Serverまでというのは厳しかったようだ。さらに、改元直前に連休開始というのもスケジュール的にキツい。なかには休日出勤を余儀なくされた方もいるかもしれない。昨今、政府関係者から「働き方改革」という言葉をよく聞くが、残業や休出を増やしてしまうようなやり方はなんとかならないものだろうか。
さて、その令和パッチだが、どのようになっているのか詳しく見ていこう。
現時点では、任意のアップデートとして提供されている
記事執筆時点では、令和パッチは自動でアップデートされるものではないようだ。配布日も「Bアップデート」(毎月第2火曜日の品質アップデート)ではないので、オプションという位置づけ。早ければ、次回、5月の第2火曜日(日本の水曜日未明)の品質アップデートに含まれるのではないかと思われる。
“自動”ではないので、ユーザーが、Microsoft Update Catalogから必要なアップデートをダウンロードしてインストールする必要がある。各バージョンのダウンロード先は、以下のリンクになっている。各パッチは、x86、x64、ARM64と複数のアーキテクチャに分かれているため、必要なアーキテクチャのものをダウンロードする。
・2019-05 x86/x64/ARM64 ベース システム用 Windows 10 Version 1809 の累積更新プログラム (KB4501835)
・2019-04 x86/x64/ARM64 ベース システム用 Windows 10 Version 1803 の累積更新プログラム (KB4493437)
・2019-04 x86/x64/ARM64 ベース システム用 Windows 10 Version 1709 の累積更新プログラム (KB4493440)
・2019-04 x86/x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1703 の累積更新プログラム (KB4493436)
・2019-04 x86/x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1607 の累積更新プログラム (KB4493473)
・2019-04 x86/x64 ベース システム用 Windows 10 Version 1507 の累積更新プログラム (KB4498375)
・2019-04 x86/x64 ベース システム用 Windows 8.1 向けマンスリー品質ロールアップのプレビュー (KB4493443)
・2019-04 x86/x64 ベース システム用 Windows 7 向けマンスリー品質ロールアップのプレビュー (KB4493453)
インストールは簡単で、ダウンロードしたMicrosoft Update スタンドアローンパッケージ(.msu)をエクスプローラーからダブルクリックするだけだ。ただし、インストール後には再起動が必要である。また、このインストールは、他のWindows Updateが実行中だったり、パッケージの確認を行っている最中には、処理が進まないので注意が必要だ。
なお、Windowsの各バージョンごとに更新内容には違いがある。詳細情報はそれぞれにKB番号(Knowlege Base番号)があるので、それぞれを参照してほしい(カッコ内は更新後のBuild)。
・Windows 7.0 SP1
・Windows 8.1
・Windows 10 RTM/Ver.1511(10240.18187)
・Windows 10 Ver.1607/Windows Server 2016(14393.2941)
・Windows 10 Ver.1703/Windows Server Ver.1703(15063.1784)
・Windows 10 Ver.1709(16299.1127)
・Windows 10 Ver.1803/Windows Server Ver.1803(17134.753)
・Windows 10 Ver.1809/Windows Server Ver.1809(17763.439)
また、混乱を避けるため、パッチを適用する前に、テストなどで変更したレジストリなどは削除しておくほうがいいだろう。このレジストリ設定は、アップデートが完了したという確認になる。
ここでは、最新版であるWindows 10 RS5で動作を検証した。RS5向けの令和対応パッチは「KB4501835」で、マイクロソフトによると元号関係では以下の変更点があるとのことだ(https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4501835/windows-10-update-kb4501835)。
1. CALDATETIME構造が4つ以上の日本の元号を処理できない問題を修正します。
2. 日本の新元号に対応するために、NLSレジストリを更新します。
3. 日本の日付形式で DateTimePicker が日付を正しく表示しない問題を修正します。
4. 日付と時刻の設定のコントロールが古い元号をキャッシュして、時刻が日本の新元号に切り替わる際にコントロールが更新されない問題を修正します。
5. 日本の新元号に対応するために、フォントを更新します。
6. 入力方式エディター(IME)が日本の新元号の文字に対応できない問題を修正します。
7. 時計とカレンダーのポップアップ コントロールが、日本の新元号の月の日付にマップされた週の曜日を正しく表示しない問題を修正します。
8. 日本の新元号のフォントの代替フォントを追加します。
9. 日本の新元号の文字に対応するために、音声合成(TTS)機能を有効にします。
この連載の記事
-
第460回
PC
Windowsでsftpを使う -
第459回
PC
WSL 2.4.4ではtar形式でのディストリビューションが配布でき、企業での利用が容易になってきた -
第458回
PC
Windows上でhostsファイルを活用する -
第457回
PC
IPv6アドレスは先頭を見ればどんな種類かわかる -
第456回
PC
あらためてIPv6基本のキ -
第455回
PC
Windowsで現在どのネットワークアダプタがインターネット接続に使われているかを調べる方法 -
第454回
PC
Windows 11 24H2では「デバイスの暗号化」の条件が変わり、より多くのPCでドライブが暗号化される -
第453回
PC
Windows 11 24H2の配布開始後もすぐにはやってこない Windows UpdateとSafeguard Holds -
第452回
PC
Windows 11 Ver.24H2が登場 Copilot+ PCとそうでないPCで実質Windowsが2つに分かれる -
第451回
PC
新しいWindowsサンドボックスではコマンドラインからの制御が可能に -
第450回
PC
ユニコードで文字数を数える方法 - この連載の一覧へ