バッファローは、15周年を迎えた同社NAS「TeraStation」シリーズの発表会を開催。これまでの歩みと新サービス・新製品を紹介した。
2004年の初号機は10万円を切る価格と“テラ”が話題に
同社NASの源流となるのが個人向けの「LinkStation」。同機は基本的に1台のHDDが内蔵されているモデルだったが、2004年12月に発売された初代TeraStationは最大4台のHDDをRAID 1または5で運用可能。当時はまだ聞き慣れなかった“テラ”の容量と、10万円を切る価格設定がインパクトを生み、ヒット製品となった。
その後のTeraStationは、ラックマウントモデルを用意するなど、従来の個人・SOHO向けから、中規模オフィスにまでターゲットを広げるとともに、Windows Storage Serverモデル、BIOS社を傘下に加えることによるハードウェアRAID搭載など、ラインアップを拡充。通算販売台数は100万台を突破し、欧米圏では「バッファローと言えばTeraStationの会社」と代名詞的な存在になっているという。
そんな同社が転換点となったと語るのが、2017年のデータ復旧サービスの開始。メーカーとしてハードを売るだけでなく、サービスまで提供する形への進化を目論んでいる。
設置場所に直接行かなくても
保守管理の多くの部分を可能にする
その延長線にあるのが、4月に開始される「キキNavi」。社内システムの保守・管理を請け負うSIerなどに対し、TeraStationの稼働状況を把握したり、遠隔操作するなどの機能を提供するクラウドベースのサービスだ。
TeraStationを導入している企業の中には、いわゆる“ひとり情シス”だったり、リテラシーがあまり高くない社員が管理している例は少なくない。実際に、クライアントが入るビルの定期停電時、保守・管理会社が実際に出向いてシャットダウン操作をしているといった例があるという。そうした管理者の負担を軽減するためにキキNaviは開発された。
キキNaviではウェブブラウザーから、100台レベルのNASをまとめて管理し、正常に動作しているかが確認できるほか、再起動・シャットダウン・ファームウェアアップデートなどの遠隔操作も可能。また、TeraStationの設定を自動的に保存できるので、リプレイス時にも手間がかからない。
サービス開始は4月17日。当初は保守・管理サービスを提供する企業向けに開放し、その後、法人ユーザーについても展開を予定している。対応機種はTS5210DFシリーズなど、Linuxベースの最新世代モデルが中心。1世代前のモデルも監視機能には対応を予定している。
新製品は今夏に出荷開始を予定している「TS6000シリーズ」。新機能としては「スナップショット」「iSCSIボリュームバックアップ」への対応が追加されている。
スナップショットは、従来のファイル単位で順次実施するバックアップではなく、特定の時間での状態をそのまま保存するというもの。iSCSIボリュームバックアップでは、サーバーとiSCSIで接続されたバックアップ元のデータを、サーバーを経由しないせずにバックアップする。これによりサーバーの負荷を軽減できる。製品の価格は公表されなかったが、現行モデルのTS-5100シリーズからは「少し上がる程度」とのことだ。