米マイクロソフトは4月2日(現地時間)、ドイツで開催される世界最大の産業見本市「ハノーファー・メッセ」において、新たなコミュニティー構想「Open Manufacturing Platform(OMP)」を発表した。BMWグループとの協業によるもの。
現在、製造業では複雑で独自性のあるシステムが生産性と収益性の障壁となり、データのサイロ化や生産性の低下につながっているという。本コミュニティーは、自動車産業や幅広い製造業全般におよぶ、参加企業に共有するスマートファクトリーソリューションの開発を支援。一般的な産業上の課題対応はもちろん、未来の産業用IoT開発を大幅に加速することで、価値実現までの時間短縮、生産効率の向上を目指すとしている。
Microsoft Azureの産業用IoTクラウドプラットフォームに構築。本コミュニティーの目的は、メンバーにオープンな産業標準と、オープンなデータモデルに基づくオープンソースのコンポーネントによる、参照アーキテクチャーを提供することだという。コラボレーションを促進するのはもちろん、データモデルを解放して標準化するように設計しているので、これまで独自のシステムで管理していたデータの分析や機械学習もできる。産業用ユースケースとサンプルコードを活用することで、メンバーやパートナーは、自社データへの管理権限を保ちつつ、自らサービスやソリューションの開発が可能。
現在、本コミュニティーのパートナーを募集中。諮問委員会は、初期パートナーの4~6社で運営を開始し、2019年末までに厳選した本番環境で最低15件のユースケースを展開予定だという。初期パートナーの2社であるマイクロソフトとBMWグループは、自動車産業以外の企業も含め、さまざまな製造業者やサプライヤーに参加を呼びかけている。
マイクロソフト クラウドおよび、AIグループ担当エグゼクティブバイスプレジデントのスコット・ガスリー氏は「マイクロソフトは BMW Group と協力し、業界全体に渡ってデジタルプロダクションの効率化に変革をもたらします。マイクロソフトは、オープンコミュニティーの構築にコミットしています。これにより、製造バリューチェーン全般にわたってコラボレーションの新たな機会が生まれるのです」と述べている。